ビルトインガレージには固定資産税がかかる??かからない??

たくさんある情報を見聞きしていると「ビルトインガレージ(Built-In Garage=BIG)を作ると、固定資産税にどう影響するのか分からない」と思う人は多いと思います。 「BIGを造ると、家の評価額が上がって固定資産税が高くなりやすい」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。一方で「BIGを造ると、延べ床面積に算入されないから固定資産税が安くなる」なんていう話もあるようです。 今回はBIGに固定資産税がかかるのか知りたい人に向けて、詳しく解説していこうと思います。BIGと固定資産税の疑問をすっきりと解決しましょう。 インターネットなどで調べると、「BIGには固定資産税がかかる」といった情報が出てくる一方で、「BIGを造っても延べ床面積に算入されないから固定資産税が安くなる」といった情報もあります。どちらが本当なのか、混乱している人もいるかもしれません。 結論から言うと、BIGには固定資産税がかかります。詳しくは後述しますが、BIGはカーポートや外付けの駐車スペースとは異なり、住宅の延べ床面積に算入されます。ではどうして「BIGに固定資産税がかからない」という誤解が生じているのでしょうか。その理由はこちらにあると言えます。 ✅容積率の緩和処置からの誤解 容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積の割合のことで、土地の用途地域ごとに建築基準法によって制限が定められています。延べ床面積とは、各階の床面積の合計です。2階建てであれば「1階の床面積+2階の床面積=延べ床面積」となります。容積率には、一定の条件を満たすと駐車場スペースを延べ床面積の計算から除外できる緩和措置が設けられていますが、これが誤解の原因になっているようです。 BIGのように、屋根がある駐車場は建築物とみなされ、原則として延べ床面積に含まれます。一方でBIGは、住宅の延べ床面積の5分の1を限度として、容積率の計算から除外される緩和措置があります。 たとえば、敷地面積50坪で容積率の上限が150%の土地には、容積率の規定により延べ床面積75坪(50坪×150%)までの家が建てられます。その土地へBIGを造る場合、延べ床面積の5分の1までは容積率の緩和措置が適用されるため、75坪の5分の1となる15坪までは延べ床面積の計算に含まれません。つまり、最大15坪のBIGを作っても、そもそもの制限範囲の75坪の延べ床面積を住宅用に活用できることになります。 このことから「BIGを作っても延べ床面積に算入されない=延べ床面積を広げると通常は高くなる固定資産税もBIG分を含まなくてよい」と勘違いして「固定資産税は割安に抑えられる」といった誤解が生じているのでしょう。 BIGの容積率緩和措置は、建築基準法に則ったものです。一方、BIGに課税される固定資産税は、地方税法に則っています。基準となる法律が異なるため、BIGの延べ床面積が容積率に算入されないからといって、固定資産税が安くなるわけではない点に注意しましょう。 ✅BIGを造ると固定資産税が高くなりやすい? 今後は逆に、「BIGを造ると家の評価額が高くなり、その結果、固定資産税が高くなりやすい」と聞いて不安になっている人もいるでしょう。結論から言うと、BIGを造っても、固定資産税がそれほど高額になるわけではありません。まず押さえて欲しいのが、「固定資産税がかかるガレージ」と「固定資産税がかからないガレージ」がある点です。 固定資産税の課税対象は「土地」と「建物」です。「建物」が課税される条件として、以下の3条件が挙げられます。 ①土地定着性:   基礎があって土地に定着していること ②外気分断性:   屋根と三方向以上の周壁があること ③用途性:   居住や作業などの用途に使用できる状態であること この3つの条件を満たしていると、固定資産税の課税対象になります。これを踏まえたうえで、BIGなど建物の一部として建設されたガレージは、3つの条件に該当するため固定資産税がかかります。基礎があり地面に定着した物置風ガレージも、課税対象です。 一方の固定資産税がかからないガレージとは、土地定着性と外気分断性を満たしていないパイプ車庫、三方向以上の周壁がないカーポート、基礎がなく地面に置いただけの物置風ガレージなどが該当します。 BIGの固定資産税の大まかな目安は「固定資産税評価額×税率」で計算します。固定資産税の税率は自治体によって異なります。(おおむね1.4%程度) 固定資産税評価額は、新築住宅の場合、一般的に「建築費の60%程度」が目安といわれています。たとえば、BIGに150万円の建築費用がかかった場合は、 「150万円×60%=90万円」が固定資産税評価額の目安です。 このBIG部分の固定資産税の目安を計算すると、 「90万円×1.4%=1万2600円」となります。 あくまでも目安ではありますが、「固定資産税は高額」というイメージを抱いている人にとっても、決して高い金額ではないと言えるでしょう。なお、電動シャッターなど、設備が良いと建築費も上がるため、家屋の評価額が上がるといわれていますが、自治体の判断によって異なる場合がありますのでお近くの公共機関にご確認・ご相談ください。 折笠工務店では数多くのBIGを手掛けてまいりました。BIGは一見すると贅沢なスペースなのではないかと考えがちですがBIGは車を止める以外にも様々な用途が考えられます。 スペースに余裕があれば、棚や倉庫を設置して収納場所にすることが可能です。 車のタイヤやメンテナンス工具はもちろん、家の中に持ち込みたくない汚れやすいアウトドアグッズなども保管できます。 また、ガレージは車がない間、子どもたちの遊び場としても使うことが可能です。 BIGをご検討の方は是非、折笠工務店にご相談下さい。