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誰もが憧れる「新築一戸建て」。しかし、実際に建てようと思った際にどうしても気になるのがコストの問題です。
平均的な4人家族向け戸建て新築なら土地代込みで2,000万円台~3,000万円台が一般的な目安と言えますが、決して安い金額とは言えません。条件によってはもっと高くついてしまう可能性もあります。
しかし裏を返せば、上手にコストダウンのポイントを押さえることで少しでも安くできるという考え方もあります。
そこで今回は、新築時にかかる費用を徹底的に見直し、コストを最小限に抑える方法をご紹介します。
内装や設備、外構などの分野別の節約術から、工務店の選び方、住宅ローンなどのテクニックまで、事例も交えながら新築のコストダウンに役立つ情報をお送りします。
少しでも安く新築物件を建てるには?
少しでも安く新築物件を建てるためには、以下のようなポイントを押さえることが重要です。
予算に応じた実現性・必要性の再確認
まず何より予算の範囲内に収まる前提で、実現可能な建物の仕様を見極める必要があります。広さや間取り、内外装の質感など、本当に必要な水準に絞り込むことで、コストを大幅に抑えられます。一方で過度な質の低下は将来的なリスクにもつながるため、バランスの取れた仕様設定が肝心です。
土地価格相場の把握
次に土地探しの段階から、価格相場をしっかり把握しておく必要があります。
人気エリアは高額になりがちなので、少し外れた立地でも生活環境が整っている場所を選ぶなど工夫が求められます。
さらに地場の中小工務店を選択すれば、大手に比べて施工費を大幅に抑えられる可能性もあります。
その他にコストダウンに関わる要素
また、住宅ローンの金利見直しや、簡素な外構工事、一部DIYでの内装工事なども有効な節約術として知られています。さらに設備機器の選定では、ある程度性能を落とすことでコストダウンにつながる場合もあります。
このように、建物仕様の絞り込み、工務店選び、金融面でのコスト削減など、様々な角度からコストダウンを図ることが重要になってきます。
しかし一方で、あまり質を落とし過ぎては将来の出費増加にもつながりかねません。予算内でベストな住環境を実現するため、バランスのとれた計画が何より重要です。
コストダウン成功の事例紹介
コストダウンに成功した事例ではどういった点に注目し、どのように対策したのでしょうか。ポイント毎に見ていきましょう。
土地選びでの工夫と事例
土地選びは新築住宅のコストを大きく左右する重要な要素です。
ここでは、土地選びの工夫によりコストダウンを図れた事例をいくつかご紹介します。
・土地がある程度広ければ広いほど費用がかかるため、必要以上に広い土地を選ばず、家族構成に合わせた適切な広さの土地を選んだことで、土地費用を抑えられた例
・更地の土地を選ぶことで、解体費用がかからずコストを抑えられた例
(既存住宅の付いた土地は解体費用がプラスされるためコストアップにつながる)
・立地条件が良くても地価が高くない場所を選ぶことで、土地費用を抑えながら住環境の良い立地を確保できた例
・幅員の狭い道路に面した土地は地価が安くなる傾向にあり、そういった土地を選ぶことでコストダウンできた例
・平坦な土地は人気が高く地価が上がる一方、起伏のある土地は比較的安価な場合があり、そういった土地を上手に活用してコストを抑えた例
このように、土地の広さ、更地か建物付きか、立地条件、道路事情、地形など、様々な観点から土地を選ぶことでコストダウンを図れる可能性があります。立地条件を適切に見極めることが重要です。
設計の工夫でコストを抑えた事例
設計の工夫により新築のコストダウンを図れた事例をご紹介します。
・余分な廊下や複雑な構造を避け、動線を短くまとめた間取りにしたことで、建物の面積を最小限に抑え、建築費を削減できた例
・家全体のデザインをあえてシンプルに設計し外構工事費を最小限に抑え、同時に玄関アプローチや駐車場のデザインを抑えめにすることで、外構工事の費用を大幅に減らした例
・高機能で高価な設備を必要最低限にとどめ、標準的な設備を採用することで、省エネ性能など必要な部分だけをしっかりと確保しつつ設備工事費を大きく抑制した例
このように、間取り、デザイン、設備機器の選定など、設計の段階から徹底的にコストを意識することで、建築費を大幅に削減できる可能性があります。住宅のコンセプトを損なわずに無駄を排除する設計上の工夫が、コストダウンのカギとなるでしょう。
資材選びと施工方法でコストを抑えた事例
資材選びと施工方法において、以下のようなコストダウンを図れた事例がありました。
・プレカット工法を採用し、現場での加工を最小限に抑えたことで工事費を削減した例
・木材は地場の安価な材料を活用し輸送コストを抑制しつつ、基礎工事の際は場所打ちコンクリートの代わりにプレキャストコンクリート基礎を採用し、工期短縮と費用削減を実現した例
・外壁材をサイディングボードなどの低コスト材料に変更したり、内装材をファンシーなものから標準的な無垢材に変更したりと、建材を低コストなものに切り替えた例
・キッチンや水回りの設備をグレードの低いものに変更したり、太陽光発電設備や高機能床暖房は見送り、標準的な設備のみ設置したりするなど、設備のグレードダウンによりコストを抑えた例
・現場の作業効率化や工程の工夫で手間賃を削減、自社施工を取り入れ外注費用を抑制するなどしてコストを抑えた例
このように、資材選びでは地場や標準的な低コスト材料を選び、施工方法ではプレカットやプレキャストなどの工場製品を活用したり、設備グレードを下げたりすることで、コストダウンを図れた多くの事例がありました。
間取りとデザインでコストを抑えるテクニック
その他、間取りやデザインについて以下のようなテクニックを使うと、コストダウンに繋がります。
シンプルな間取りを採用する
まずシンプルな間取りを採用することで、新築のコストを抑えられる可能性が高くなります。
間取りをシンプルにすることで、最も効果的なコストダウンにつながるのが、建物自体の規模や面積を小さく抑えられる点です。建物が小さければ小さいほど、基本的に建設コストは下がります。必要以上に広い居室やデッドスペースがなくなるため、材料費や施工費用を大幅に削減できるのです。
また、シンプルな間取りは、内装の下地やクロス工事、設備工事の手間も最小限で済みます。間仕切り壁が少ないため、下地や壁工事のコストを抑えられます。さらに設備工事では、シンプルな間取りならば最短経路で給排水管や電線を通せるため、工事量が少なくて済むはずです。
一方で、極端にシンプル過ぎる間取りは将来的に生活の質を下げる恐れもあり、ある程度の広さやゆとりは確保する必要があります。
このようにシンプルな間取りを採用することで、無駄のない合理的な設計になり、結果として施工面でのコストダウンにつながります。
コストを抑えつつデザイン性を高めるポイント
コストを抑えるのは前提として、デザイン性も高めたいという方は以下のポイントを意識すると良いでしょう。
まずは間取りやプランの内容よりも、空間の作り方に注力すると良いでしょう。壁を最小限に抑えて開放的なワンルームのようなつくりにすれば、広々とした空間が生まれます。部屋の仕切りではなく、家具の配置や床・天井の素材の使い分けで、空間の区切りをデザイン的に表現できます。
また照明計画にもこだわる必要があります。デザインの良いペンダントライトなどを効果的に使えば、空間に高級感やアクセントが生まれます。間接照明の活用なども、空間の奥行き感や陰影をつくり出すのに有効です。
さらにインテリアの小物使いにも気を配れば、それだけでおしゃれ度がぐっとアップします。生活用品をひとつの雰囲気で統一したり、グリーンを取り入れたりと、コーディネートの工夫次第でムードある空間に仕上げられるのです。
一方で、構造や素材の質そのものを極端に下げるのは避けたいものです。使いにくさを感じさせない最低限の質は確保し、デザインでカバーするのがポイントとなります。適切な素材選びとデザイン性の両立が重要です。
このように、コストをかけずにデザイン性を高める方法はいくつもあります。機能性とデザインの両立を心がけつつ、空間作りやインテリアのセンスを活かすことが、コストを意識しつつ高級感ある住まいを実現する近道となるでしょう。
コストダウンを目指す上での注意点
新築のコストダウンを目指す上で、注意点がいくつかあります。
資材や施工の質を落とし過ぎない
まず過度のコストダウンにより、劣悪な資材や施工を選んでしまうと、建物の耐久性が著しく低下してしまう恐れがあります。そうなると将来的に大がかりな修繕や部品の入れ替えが必要になり、結果としてトータルコストが高くつく可能性があります。コストダウンによる一時的な節約と、中長期的な追加コストのバランスを意識する必要があります。
安住性や利便性を損なわない
また、コストを下げることだけに注力しすぎて、安住性や利便性を損なってしまっては本末転倒です。シンプルすぎる間取りや、使い勝手の悪い設備などにより、快適な居住環境が実現できなくなっては元も子もありません。最低限の水準は確保しつつ、賢明なコストダウンを心がける必要があります。
優先順位を付ける
さらにコストダウンの項目の選定においても、優先順位を設けることが大切です。まずは設計の見直しから始め、間取りの無駄の排除などに着手します。次に生活に直結しない部分から徐々に削減していくなど、重要度に応じた段階的なアプローチをお勧めします。
法令への抵触がないか確認する
加えて建築基準法をはじめ、関連法規への抵触がないかどうかも確認しなくてはなりません。法令の基準を満たさないコストダウンは将来の大きなリスクにつながります。工務店との打ち合わせを綿密に行い、法的リスクのないコストダウン方法を選ぶ必要があります。
施工業者との交渉ポイント
新築のコストダウンを目指す上で、施工業者との交渉では以下のようなポイントが重要になってきます。
相見積もりをとる
まずは複数の施工業者から見積もりを取り、価格競争を働かせることが大前提となります。一者依存に陥ると適正価格を見極めづらくなってしまいます。同程度の条件で複数社から見積もりを取り、価格の目安を立てることが賢明です。
また、工事費の内訳をできる限り細かく明示してもらい、必要以上に価格が高くなっていないか確認することも重要です。例えば人件費や資材費などに無駄が見られれば、業者と直接交渉して適正水準への引き下げを求めていく必要があります。
一方で、過度の価格引き下げ要求は控えめにすべきです。あまりに安価な見積価格を要求すれば、施工の質が下がったり、後々のトラブルにつながる恐れもあります。適正価格とのバランスが重要です。
また、コストダウン提案については、積極的に業者側からの提案を求めるべきです。業者なりのノウハウがあれば、コストパフォーマンスに優れた提案が期待できます。お互いのメリットにつながる提案を歓迎するスタンスが大切です。
業者と良好な関係をつくる
最後に、スムーズな施工の実現を前提に、業者との良好な関係を損なわない態度と対話が不可欠です。相互の理解と尊重があれば、コストダウンへの協力が得やすくなるはずです。
こういったポイントをしっかりと押さえながら、施工業者との綿密な交渉を行うことが新築コストダウンへの第一歩です。
まとめ
ここまで、新築のコストダウンについて事例などを交えながら紹介してきました。
ご家族の夢を実現するため、新築を安く建てたいというのは誰しも考えることです。
そのために、無理のないコスト設定とある程度の居住環境の確保、この二つのバランスを常に意識しながら、工務店ともしっかり相談を重ねていきましょう。
そうすれば、理想を追求しつつも現実的な予算内に抑えた、あなたの理想の住まいづくりが実現できるはずです。