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家づくりの失敗を防ぐ「間取り」設計の考え方|失敗事例もご紹介

新しい家を建てる時、誰もが理想の間取りを思い描きます。家族団欒のリビング、おしゃれなキッチン、落ち着ける寝室など、夢が膨らむことでしょう。

しかし、いざ住み始めてみると「こんなはずじゃなかった」と後悔する人も少なくありません。収納が足りない、動線が不便、プライバシーが確保できないなど、間取りの失敗は日常生活に大きな影響を与えます。

間取りは、家の顔とも言える重要な要素。一度作ってしまったら、簡単には変更できません。だからこそ、失敗しないための知識と準備が欠かせないのです。

でも、どうすれば失敗を避けられるのでしょうか。間取り作りの基本ルールは何なのでしょうか。

この記事では、間取りの失敗事例から学ぶ教訓と、失敗しないための具体的なポイントを詳しく解説します。

間取りは、家族のライフスタイルや価値観を反映する大切な要素。後悔のない間取りを実現するために、一緒に考えていきましょう。

家づくりが失敗に終わる?間取りの重要性

まず意識していただきたいのが、間取りは家の機能性と利便性、ひいては家族の生活スタイルを決定づけるものであるという点です。

部屋と部屋のつながり・動線の効率・採光や通風の確保など、間取りの工夫次第で、家の性能は大きく変わります。

間取りの影響

実際問題、間取りによって住宅はどのように影響を受けるのかを考えてみましょう。

まず、間取りは家族の日常生活に直接的な影響を与えます。

リビングの広さや形状は、家族団欒の時間の質を左右します。

キッチンの位置や大きさは料理や食事の楽しさに影響しますし、寝室の配置や広さは休息の質や プライバシーの確保に関わってきます。

間取りによって、家族の毎日の暮らしの満足度が大きく変わる可能性があるのです。

また、間取りは家事の効率にも大きな影響を与えます。

キッチン・バスルーム・洗濯スペースなどの「動線」が適切に設計されていないと毎日の家事が非常に大変なものになってしまいます。

収納スペースが十分に確保されていないと、整理整頓が困難になりストレスの原因になります。

間取りの工夫次第で、家事の負担を大幅に軽減することができるのです。

さらに、間取りは住空間の快適性にも影響します。

採光や通風、温度や湿度の調整など、住環境の質は間取りと密接に関係しています。

部屋の配置や窓の位置、空調設備の設置場所などを適切に設計することで、より健康的で快適な住空間を実現することができます。

加えて、間取りは将来的な生活の変化への対応力も左右します。

子どもの成長に伴って必要な部屋数が変わったり、老後の生活を見据えてバリアフリー化が必要になったりと、家族のライフステージの変化に柔軟に対応できる間取りであるかどうかは長期的な住み心地に大きな影響を与えます。

その上、間取りは家の資産価値にも影響を及ぼします。

流行に左右されない普遍的な生活スタイルに対応した間取りは、長期的な資産価値の維持・向上に役立ちます。

一方で、あまりにも特殊で汎用性のない間取りは、将来的な売却や賃貸の際のネックになる可能性もあるのです。

このように、間取りは家づくりにおいて非常に重要な要素であり様々な側面に影響を及ぼします。毎日の生活の質・家事の効率・住空間の快適性・将来への適応力・資産価値など、家族の生活に関わるあらゆる面が、間取りによって左右されると言っても過言ではありません。

間取りによる家づくり失敗例

ここまで述べたように、間取りは明らかに家づくりにおいて重要な点ではありますが、後から失敗に気づくケースも多く存在します。

ここでは失敗事例を元に、失敗しないためには何を意識すれば良いかを考えてみましょう。

自然光と風通しを考慮しない設計

窓の位置や大きさが不適切だと十分な日光が室内に入らず、常に暗い閉塞感のある空間になり、日々の生活に大きな悪影響を与えてしまいます。事例をいくつかご紹介します。

・リビングの窓が小さく、北向きに設置されていたため、日中でも部屋が暗く、照明に頼らざるを得なくなってしまった事例。

・吹き抜けを南側に設けたため、夏は過剰な日射で室内が蒸し暑くなり、冬は暖気が上部に逃げて寒くなってしまった事例。

・浴室と洗面所に窓がなかったため、換気が不十分で湿気がこもり、カビが発生してしまった事例。

・主寝室の窓が隣家に面していたため、プライバシーを確保するためにカーテンを常に閉めておく必要があり、自然光が入らなくなってしまった事例。

・リビングと隣接する和室に窓がなかったため、和室が暗く、圧迫感のある空間になってしまった事例。

・キッチンが室内の中央に配置され、窓から離れていたため、料理中に暑くなり、換気も不十分で臭いが部屋中に広がってしまった事例。

・トイレに窓がなく、換気扇の設置も不十分だったため、臭いが残留し、不快な空間になってしまった事例。

健康的で快適に暮らすために、設計の段階から自然光と通風には設計段階で配慮しておきましょう。

収納スペースの不足

注文住宅の間取りにおいて、収納スペースの不足は、快適性と機能性を大きく損ねる可能性があります。事例をいくつかご紹介します。

・寝室やリビング、子ども部屋など、各部屋に適切な収納スペースを確保しなかったために、生活用品や衣類などが散乱し部屋が常に乱雑な状態になってしまった事例

・十分な広さのシューズクロークや収納棚を設けなかったために、靴や傘・アウターなどが玄関に溢れ、スッキリとした印象を損ねてしまった事例

・キッチンで十分な収納スペースを確保しなかったことで、調理スペースが狭くなったり、物であふれかえったりして、作業効率が低下し美観も損なわれてしまった事例

・季節物の収納スペース不足により、スキー用品やアウトドアグッズ・クリスマスツリーなど、普段使わない物が家中に溢れ、スッキリとした生活空間を維持できなくなった事例

これらの失敗例は、収納スペースを適切に計画し、十分な容量を確保することで防ぐことができます。各部屋の用途や家族構成、ライフスタイルを考慮し、必要な収納を洗い出すことが大切です。

家族のライフスタイル変化

間取りは建てた時点だけでなく、長い年月にわたって家族の生活に影響を与え続けます。

子どもの成長や家族構成の変化、ライフステージの移行など、時間の経過とともに家族のニーズは大きく変化していきます。それらの変化に柔軟に対応できる間取りを設計しないと、将来的に悪影響を与えてしまうケースもあるようです。事例をいくつかご紹介します。

・子どもの成長に伴う部屋数の変化を考慮しなかったため、数年後に手狭になり、リフォームを余儀なくされてしまった事例

・老親との同居を想定していなかったため、急な同居に対応できる間取りになっておらず、大規模な改修が必要になってしまった事例

・在宅ワークを考慮していなかったため、テレワークに適した書斎や作業スペースがなく、リビングで仕事をせざるを得なくなってしまった事例

・将来の介護を考慮していなかったため、バリアフリーに対応しておらず、高齢になってから慌てて改修することになってしまった事例

・子どもの独立を見据えていなかったため、子どもが巣立った後、部屋が余ってしまい、有効活用できなくなってしまった事例

例えば子育て世帯であれば、将来子どもが独立した後の生活も想定する必要があります。

子ども部屋を将来的に書斎やゲストルームに転用できるような間取りにしておくと、長期的な使い勝手が良くなります。

また高齢期を見据えた設計も重要です。

将来的にバリアフリーが必要になることを想定し、段差をなくしたり広めの廊下を設けたりするなど、先を見越した設計が求められます。

さらにライフスタイルの変化も予測する必要があります。

在宅ワークが増えることを想定し、ワークスペースを設けておくことや、趣味の変化に合わせてフレキシブルに使える多目的ルームを用意しておくことなども有効でしょう。

プライバシーへの配慮

プライバシーへの配慮が欠けた間取りでは、家族間のストレスや不満が高まり、落ち着いて過ごせる空間が失われてしまう恐れがあります。事例をいくつかご紹介します。

・リビングの窓が道路に面していたため、カーテンを開けるとすぐに外から丸見えになってしまい、プライバシーが確保できなくなってしまった事例

・主寝室の窓が隣家に近接していたため、隣家との距離が近すぎて、お互いの生活音や会話が筒抜けになってしまった事例

・バスルームの窓が外から見える位置にあったため、入浴時のプライバシーが守れず、窓を曇りガラスに変更せざるを得なくなってしまった事例

・1階の窓の位置が低すぎたため、外を歩く人から室内が丸見えになってしまい、常にカーテンを閉めておかなければならなくなってしまった事例

・家族の個室同士の音の遮断が不十分だったため、部屋での会話や音が筒抜けになり、プライバシーが守れなくなってしまった事例

安らげる上質な住空間を実現するには、適切なプライバシー空間の確保が不可欠です。間取り設計の段階からプライバシーへの配慮を怠らないことが何より大切なのです。

家づくりを間取りで失敗しないためのポイント

間取りで失敗しないためには、以下の点に配慮する必要があります。

将来を予測する

家族構成やライフステージ、生活習慣などを把握し、それらに適した間取りを設計することが重要です。例えば、子育て世帯なら個室の確保や動線の効率化を、リモートワークが増えればホームオフィス空間の確保を意識する必要があります。

さらに、将来の変化にも柔軟に対応できるよう、間取りに余裕を持たせることも大切です。

プロの意見を取り入れる

家づくりの間取りで失敗しないためのポイントとして、プロの意見を取り入れることも非常に重要です。

住宅の設計に携わる建築士やデザイナーといった専門家は豊富な知識と経験を持っています。

ただ単に部屋を配置するだけでなく、動線や収納・プライバシーなど、生活の質に直結する要素を考慮した提案をしてくれるはずです。

また専門家に相談することで、実現可能な間取りの提案を受けることができますし、コストとのバランスも考慮してくれます。素人では気づきにくい、技術的な課題や制約についてもアドバイスしてくれるでしょう。

希望すれば、家族構成の変化やライフステージの移行に合わせて柔軟に対応できる間取りのアイデアについても提供してくれるはずです。

専門家の意見を取り入れることで、自分たちだけでは思いつかなかった間取りのアイデアに出会えるかもしれません。プロの提案をベースに、自分たちの要望を加えていくことで、より理想的な間取りに近づくことができるでしょう。

適切な専門家を選び、オープンなコミュニケーションを心がけること。

そして、その意見を参考にしながら最終的には自分たちで決断すること。

それがプロの知見を間取り作りに活かすための秘訣だと言えるでしょう。

柔軟性・拡張性を考慮した間取り

将来の生活スタイルの変化にも対応できるよう、余裕を持たせた設計を行うことが重要です。

具体的には、間取りに可動式の間仕切りを取り入れることで、必要に応じて空間をフレキシブルに区切ったり、つなげたりできるようにします。

例えば、客間とリビングを仕切れば、プライバシーを確保できる一方で、開放すれば広々とした空間が生まれます。

また、将来的に増築や間取り変更をする可能性も考慮し、後から壁を抜く余地を設けるなど、構造的な拡張性も備えます。

子供ができた際に子供部屋を新設したり、高齢化に伴いバリアフリー化への対応が必要になったりした場合に、スムーズな改修が可能となります。

さらに、収納スペースを確保し、クローゼットの上部に吹き抜けを設けるなどして、余剰スペースを作っておくことも重要です。それにより、居住者の増加や趣味の変化など、将来のニーズ変化にも柔軟に対応できるようになります。

間取りシミュレーションツールの活用

家を建てる際に、間取りシミュレーションツールを活用することは、非常に有効な方法です。

間取りシミュレーションツールは、コンピューター上で仮想的に間取りを作成し、様々な角度から検討できるソフトウェアです。平面図だけでなく、3Dモデルで立体的に確認できるツールもあり、より現実に形でイメージを具体化することができます。

このようなツールを使うことで、まず、アイデアを自由に試すことができます。部屋の配置や大きさ、動線などを自在に変更し、様々なパターンを比較検討できます。これにより、自分たちのライフスタイルに最適な間取りを見つけ出すことができるでしょう。

また、家具やインテリアをシミュレーション上に配置することで、実際の生活空間をよりイメージしやすくなります。部屋の大きさと家具の配置のバランスなどを事前に確認できるので、無駄のない間取りを設計できます。

さらに、採光や通風のシミュレーションができるツールもあります。太陽光の入り方や、風の流れをシミュレートすることで、より快適な間取りを目指すことができます。

間取りシミュレーションツールは、施主と設計者のコミュニケーションツールとしても有効です。シミュレーション上でアイデアを視覚化し、共有することでイメージのずれを防ぎ、よりスムーズな打ち合わせが可能になります。

こういったツールを上手に活用しながら、設計者や施工者と連携し、現実的な条件の中で最適解を見出していくことが、満足のいく間取り作りにつながるでしょう。

まとめ

ここまで、間取りの重要性や失敗例とその対策について解説してきました。

間取りの失敗は、住み心地に直結する大きな問題です。しかし、しっかりとした準備と知識があれば、失敗は避けられるはずです。

家族との対話を重ね、専門家の知見を借り、失敗事例から学びながら、一歩一歩理想に近づけていきましょう。

完璧な間取りを目指すのではなく、家族にとって最適な間取りを目指すこと。それが、失敗しない間取り作りの秘訣だと言えるでしょう。

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マイホムニュース編集部

マイホムは1000社以上の住宅会社と取引があり、また社内にも住宅会社出身者が多数在籍しています。この住宅業界に特化した豊富な知見を、信頼できる適切な情報を集めたいユーザーに届けていきます。

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