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注文住宅建築時に活用したい、住宅ローンの種類や特徴をご紹介

注文住宅を建てる際、資金調達方法として最もポピュラーな住宅ローン。

よほど経済状況にゆとりがない限りは、頭金だけ出して残りは住宅ローンでと考える方が多いようです。

ただ一口に住宅ローンといってもいくつか種類があり、金利の考え方やそれに応じたメリット・デメリットなど確認しておくべきポイントも数多くあります。

ここでは、借入額や借入期間の決め方・手続き・審査基準に至るまで住宅ローンを検討する際に知っておきたいポイントを網羅的にご紹介します。

注文住宅を建てる際の住宅ローンの重要性

三井住友トラスト・資産のミライ研究所の『住まいと資産形成に関する意識と実態調査(2024年)』によると、持ち家購入時の住宅ローンの利用の有無について、全年代では利用している(返済中)が34.1%、利用していた(返済完了)が42.2%、利用していないが23.7%と、76.3%は住宅ローン利用経験者との結果が出ています。

家を建てる大多数の方が無関係ではいられない住宅ローンについて、改めて必要性や影響について確認しておきましょう。

 建築費用から考えるローンの必要性

住宅を建てる上で、特に注文住宅の建築費用は建売住宅に比べ、より高額となる傾向にあります。このため一括で支払える資金を持ち合わせている方以外は、住宅ローンによる借り入れなどがなければ、欲しい住居が手に入れられない方が多数を占めてしまいます。

また住宅ローンを利用する大きな利点として、団体信用生命保険の利用が挙げられます。民間の住宅ローンを利用する際に、必ず加入を求められるもので、加入者にもしものことがあった場合には、生命保険金からローンの残金が支払われます。

これにより、加入者に万一のことがあった場合に残された家族は住宅ローンの残金を抱えることなく安心して暮らせるという仕組みです。

住宅ローンが家計に与える長期的な影響

住宅ローンを活用することで、建築関連の初期費用を抑えることができるため、その分並行して必要となる生活費や例えば子供のイベントに予算を割り振ることができます。

住宅ローンを利用して毎月無理のない返済計画を立てられれば、残りの収入金額で生活するとともに、将来必要になる資金を貯蓄することも可能です。上手に利用すれば、経済的に無理をすることなく、持ち家で快適に暮らしていくことができるでしょう。

また、『住宅ローン控除』が受けられる点もポイントです。『住宅ローン控除』とは、自己の居住用の家屋を住宅ローンを利用して取得した場合に、規定の金額が所得税額から控除される減税制度のことを指します。

住宅ローン控除を受けるには、取得した住宅の床面積やローン借入機関の下限など、さまざまな適用条件が定められており、その全てを満たすことで受けられます。自分が当てはまるのかぜひ確認してみてください。

なお、控除を受けるための手続きとして、確定申告が必要になりますので忘れないようにしておきましょう。

注文住宅ローンの種類と特徴

一口に住宅ローンといってもいくつか種類があり、それぞれメリット・デメリットも異なります。住宅ローンの特徴を押さえ、自分に合う住宅ローンはどれかを検討していきましょう。

変動金利型住宅ローンのメリットとデメリット

変動金利型住宅ローンとは、住宅ローン借入期間中の金利が、市場金利に伴って変動する住宅ローンのことを言います。つまり、返済額が市場金利の変動に応じて上下する特徴を持っています。

変動金利は、住宅ローンを契約している金融機関が設定している融資の基準金利(店頭表示金利)から、「優遇金利」(契約者の与信などにより金利を優遇するもの)を差し引いて額が決まります。ただし、一度決まったら変わらないというわけではなく、住宅ローンの一般的な返済方法である元利均等返済の場合、通常5年ごとに返済金額は見直されます。

変動金利の最大のメリットは、他の金利タイプに比べて金利が低い点が挙げられます。

住宅ローンの借り入れ金額は一般的に高額になるため、1%程度の金利の違いでも返済総額は大きく変わるため、借入する方にとっては大きな利点といえます。

また金利が下落したり横ばい傾向であったりする場合は、結果的に返済総額が少なくて済む場合もあります。

さらに、変動金利には支払額の激変緩和措置が定められており、金利が上昇しても毎月の返済額がただちに上昇するわけではないことも特徴です。

一方、変動金利型のデメリットとしては、金利変動により返済総額が変化するため、返済額や返済期間が当初の計画とかい離してしまう恐れがあることや、借り入れ時に総返済額が確定できないことが挙げられます。

将来どのようなタイミングで金利が上昇するのかは予測がつかず、長期的な資金計画・返済計画やライフプランが立てにくくなる可能性があるため注意が必要です。

固定金利型住宅ローンのメリットとデメリット

固定金利型住宅ローンとは、借入時点の金利が返済期間を通して適用され、返済期間中に借入金利が変動しない住宅ローンのことを指します。

固定金利には、借入時の金利が返済開始から終了まで固定される全期間固定金利と、借入時から一定の期間金利が固定される当初固定金利があります。

固定金利型住宅ローンのメリットは、固定期間中の返済額が一定であるので、固定期間中の家計プランが立てやすい点があります。また、固定期間終了後は変動金利や期間の違う固定金利を選択することも可能です。

一方デメリットとしては、固定期間中は金利タイプや固定期間を変更することは原則できず、変更したい場合には、借り換えを行うことになります。借り換えを行うには、金融機関へ借り換えの申し込みや、借り換えによる諸費用などが必要になります。

また、固定期間終了後に適用金利が上がっていた場合は、借り換えにより利息が増し、返済額が増えて家計の負担になる可能性があるため金利については常に最新動向をチェックしておきましょう。

混合型住宅ローンのメリットとデメリット

混合型住宅ローンとは、ミックスローンとも呼ばれ、固定金利型と変動金利型を組み合わせた住宅ローンのプランをいいます。

当初の返済額が固定型単独で借りるよりは少なく、将来金利が上昇したときの負担は変動型単独よりも軽くなるのが特徴です。

混合型住宅ローンのメリットの一つとして、2種類の金利タイプ(もしくは返済期間)のローンを契約できるため、特定の時期に片方のローンを完済することも可能です。ローンが一つ完済されれば返済負担も少なくなるので、将来大きな出費(例えば、子供の大学進学など)が想定されるご家庭などに最適といえます。

なお、混合型住宅ローンでも、通常の住宅ローンと同じように住宅ローン控除を受けられます。住宅ローン控除の控除額は、契約者の所得税額と住宅ローンの年末残高に応じて決まりますので、繰上げ返済や片方のローンを早く完成させる際は、控除できる金額がどのくらい変わっていくのかもチェックしておくと良いでしょう。

デメリットとしては、混合型住宅ローンは各金利タイプや返済期間を組み合わせてリスクを分散させる返済方法であるので、各金利タイプが持つメリットを十分に得られない点が挙げられます。また、金融機関によっては返却期間のミックスはできない場合もあるので、資金計画を立てる際に確認が必要です。

特殊な住宅ローン(フラット35、二世帯住宅ローンなど)の特徴

上述した一般的な住宅ローンの他にも、金融機関によっていくつか特殊な住宅ローンが設定されています。

例えば、フラット35と呼ばれる『全期間固定金利型住宅ローン』はその名の通り、融資を受けている全期間を通して、同じ金利が続く点が特徴です。

長期の固定金利は民間の金融機関だけで提供するにはリスクが大きい商品であるため、固定金利のリスクを住宅金融支援機構が担い、民間金融機関と提携して提供されています。

もう一つの例としては、二世帯住宅ローンがあります。二世帯住宅を建てる際に利用される二世帯住宅ローンは、ローンの組み方が特徴的です。大きく3パターンに分かれており、子だけが住宅ローンを組むケース・親子で別々にローンを組むケース・親子リレーローンを組むケースがあります。

親子リレーローンとは、1つの住宅ローンをはじめは親が返済し、途中から子が返済を引き継ぐリレー形式のローンを言います。

注文住宅ローンの借入額と返済期間の決め方

住宅ローンを利用する場合、その借入額や返済期間をどのように決めるかは今後の生活に大きく関わってきます。ここでは、借入額や返済期間の決め方や注意点について紹介します。

借入額の決定方法と注意点

住宅ローンの借入可能額は、年収倍率や返済負担率・融資率・借入限度額といった基準によって試算されます。

そして、実際に借入額を決める際は、上記基準のほか年齢・年収や勤務年数・借入希望額などの資金計画・住宅ローン以外の借入状況なども考慮することが大切です。

返済負担率や出費から逆算しシミュレーションしてみましょう。

例えば1ヵ月の出費のうち、自身にとっての無理のない返済負担率が何%になるかを決め、そこから、12ヶ月を乗じて出した年間の返済額を超えないよう、借入金利・返済期間を選択し、最終的な借入額を決めていきます。

返済負担率を決める際には、他の出費も見た上で家計全体に無理がない割合なのかどうかを考えます。

返済期間の選び方と生活設計との関係

国土交通省が発表している『令和4年度住宅市場動向調査報告書』によると、注文住宅の場合返済期間は平均32.8年で設定されているそうです。

返済期間が長ければ、毎月の返済額を抑えることができ、その分手元に資金を残して教育資金や老後資金に充てられるというメリットがあります。

一方で返済期間が長ければ利息を多く払うことになり、また保証料が高くなることや老後も住宅ローンを払い続けなければならなくなる可能性がある場合があり、その点がデメリットといえます。

返済期間が短い場合は、支払う利息分を抑えられ、ローンも早く完済することができますが、毎月の返済額が高くなる点や返済期間の延長ができないというデメリットが挙げられます。

このように返済期間が長い場合・短い場合にもそれぞれメリットやデメリットがあります。

このため、住宅ローンの返済年数を決定する際は、毎月無理なく返済できる金額はいくらか・完済時の年齢は幾つになっているか・ライフイベントや将来の出てくる出費は具体的にいくらくらいかかりそうなのかといったポイントから考慮していきます。

ボーナス払いの活用方法と効果

ボーナス払いとは、毎月払いに加えて、ボーナスが出た月にまとまった金額を支払うものをいいます。ボーナス払いを利用する場合、1つの住宅ローンの中で『毎月返済分』と『ボーナス返済分』の2つのローンを借りるイメージとなります。

ボーナス払いで支払う金額は、一般的には借入金の40~50%で設定するケースが多いようです。

毎月払いに加えて、年1回以上のボーナス時に返済額を多くすることで、月々の返済額を安く抑えられるメリットがあります。ただその一方で元本返済のスピードが遅くなるため、利子の負担が大きくなる可能性があります。また、ボーナスが支給されなかった場合や予定していた額が支給されなかった場合、足りなかった部分で家計を圧迫してしまう恐れがあります。

住宅ローンの返済を月々の給料だけで支払っていくか、ボーナスも含めた返済にするかは、勤めている会社の状況や支出状況など、各家庭の事情・ライフプランに応じて決めていきましょう。

返済シミュレーションの重要性

返済シミュレーションを行うことで、自身のライフプランや現在の経済状況等を鑑みて出された借入可能な金額や借り換えによるメリットを把握することができます。また、併せて返済の金額や期間が家計の及ぼす影響を具体的にイメージすることができるのもポイントです。

このようにシミュレーションは現在の状況や将来の状況を総合的に考慮するためにも非常に重要な役割を担っているといえます。

金融機関によって条件が異なるため、いくつかのシミュレーション結果をもとに、自分に適した住宅ローンを選ぶためにも、返済額や返済期間・金利などさまざまな条件をもとにシミュレーションを行うことが重要です。

注文住宅ローンの審査基準と対策

住宅ローンによる借入を行うには審査が必要です。審査には事前審査と本審査の2種類があり、審査項目や必要書類が異なるため、事前に基準や評価ポイントを抑え、対策を準備しておくことが大切です。ここでは、審査基準と対策について解説します。

住宅ローン審査の主な基準と評価ポイント

住宅ローン審査とは、住宅の購入資金を融資する金融機関が融資をしても問題がないかを判断するための審査をいい、事前審査と本審査の二段階に分かれています。

事前審査では、本人の返済能力などを調査した上で、いくらまでの融資が可能かといったことを確認します。事前審査を通過すると、次に本審査に入ります。

本審査については、金融機関によって審査基準がそれぞれ異なります。そのため、ある金融機関で審査に落ちたとしても別の金融機関では通る可能性もあります。

多くの金融機関が設けている一般的な審査基準項目としては、例えば『借主の状況』『連帯保証の状況』『借りる際の資金状況』が挙げられます。

借主の状況とは、借入時や完済時の年齢・健康状態雇用形態といった項目が挙げられます。連帯保証の状況とは、収入合算やペアローンを利用する場合に連帯保証人の設定が必要なため、これに当てはまる場合に特に確認されます。

借りる際の資金状況では、担保評価や年収・返済負担率等を見ています。

本審査は事前審査よりも判断が慎重になるため、事前審査に通ったとしても、本審査も必ず通るわけではないため、都度慎重に進めていく必要があります。

審査通過のための対策と準備

住宅ローン審査を通過するためには最大限金融機関に対し、『長期的に安定して返済できる状況であること』を示すことが大切です。ここではそのための対策方法について3つ紹介します。

まず一つ目は、メインバンクへの住宅ローン申し込みです。預貯金の残高状況や給与振込の口座として利用している場合、状況によって返済能力が高いと判断され住宅ローン審査が通りやすくなる場合があります。

二つ目は、無理のない返済計画を立てることです。金融機関では年収と年間の返済負担率を見ているため、あらかじめ適切な融資可能額を算出することで、スムーズな審査が期待できます。

三つ目は、複数の金融機関に依頼することです。ある金融機関では審査が通らなくても、別の金融機関では審査が通る可能性があるため、例えば上述したメインバンクと並行して、住宅ローンに有利なプランを提案している銀行や地方銀行など、タイプの異なる銀行に同時に依頼してみましょう。

そのほか審査が通らない理由として、他の借入が多い場合や収入が不安定な場合・健康に問題がある場合がよく挙げられます。

他の借入が多い場合の対策としては、住宅ローン以外のローンは全て完済し、クレジットカードのキャッシング利用枠もなくしておきます。

また健康に問題がある場合は、多くの金融機関が求める団体信用生命保険(団信)に加入できない可能性があるため、団信の加入なしでの利用ができるフラット35を検討するようにしましょう。

頭金の重要性と貯蓄方法

住宅購入にかかる諸費用は原則現金で支払うため、その分の現金を準備しておく必要があります。

最近では頭金なしでも購入できるプランもありますが、最初に頭金を多く支払っておけば、住宅購入にかかる総額が少なくなる・金利が低い住宅ローンが利用できる・将来の売却や借換えの手続きをスムーズに行うことができるといったメリットが出てくるため、頭金は住宅購入を行う上で重要なポイントと言えます。

頭金の貯蓄方法については、銀行の自動積立定期預金の活用や親からの支援金援助によって賄っているといった声がよく聞かれます。

両親に住宅購入のための資金援助をしてもらう場合は、『住宅取得等資金の非課税制度』や『相続時精算課税選択の特例』といった特例制度を利用することで贈与税がかかることなく資金を使うことができます。

また、​​上記の他に給与から天引きしてくれる『財形住宅貯蓄』の利用もお薦めです。財形住宅貯蓄は、元利合計550万円まで利子非課税で1年以上積み立てを続け残高が50万円以上ある場合は財形住宅融資を受けることもできるといったメリットがあります。

ただし、この財形住宅貯蓄の利用は、勤務先で制度を採用している場合に限られるため、ご自身の勤務先にまずは確認してみてください。

収入証明書や勤務先の安定性の重要性

住宅ローン審査を通過する条件の一つとして、一般的には3年以上の勤続年数が求められます。頻繁に転職を繰り返している方は、収入の安定性が低く、今後の収入アップも見込みにくいと判断されてしまう可能性があるため注意が必要です。

注文住宅ローンの金利動向と選択時の注意点

世界的な物価上昇や円安などの昨今の経済状況は、住宅ローンの金利に対しても大きく影響を及ぼします。住宅の購入を検討されている方は、経済状況や金利の動向は日々チェックしましょう。また、金利自体も様々なタイプや優遇制度がありますので、事前に確認しておくことが重要です。本章ではこの金利を中心に解説します。

住宅ローン金利の動向と見通し

2022年から2023年にかけて、物価上昇抑制のため日本を除く先進国では大幅な利上げが行われました。日本でも物価上昇の傾向にあるため、もし日銀が利上げに踏み切った場合、日本の住宅ローンの金利は今後、上昇していくことになります。

金利の上昇はこれから住宅の購入を検討している方にも、現在住宅ローンを返済中の方にも、大きく関係しますので今後の住宅ローンの返済を考える上でも、金利の動向は注視しておく必要があります。

金利タイプ選択時の注意点と判断基準

金利のタイプには、変動金利型・固定期間選択型・全期間固定金利型・金利ミックス型と大きく4つに分けられます。

どの金利タイプを選ぶかは、ご自身の収入状況や家計への負担の大きさ等を鑑みて、無理のない借入であるかを判断し決定します。

例えば変動金利型の場合、将来の金利の変動を予測するのは難しいため、返済額が増えても無理なく返済できる家計にゆとりのある方や金利の動向をチェックして金利上昇時に対策を取れる方が向いていると思われます。

固定期間選択型の場合は、固定金利が上昇傾向にある現在であれば、返済額を一定にしたい期間が決まっている方や固定期間終了時に金利が上昇していても返済可能なように年収アップが期待できる方が向いていると考えられます。

金利引き下げ交渉の方法とポイント

金利も引き下げ交渉自体は可能です。ただし、各金融機関が提示する優遇金利の条件に合致している必要があるため、事前に各金融機関へ確認しておきましょう。

金利が引き下げられる一般的な条件としては、給与振込指定口座を持っていること・クレジットカードを保有していること・一定以上の預かり残高があることなどが挙げられます。

金利優遇制度の活用

この他にも多子世帯向けの住宅ローン金利優遇を行うプランなど独自のプランを設けている金融機関も見受けられます。

また、全期間固定金利住宅ローンのフラット35では金利引き下げ制度である『ポイント制』を設定し、ポイント数によって引き下げ幅や引き下げ期間を決めるといった仕組みを設けています。

このように様々な金利優遇制度がありますので、ぜひ活用していきましょう。

注文住宅ローンの組み方と手続きの流れ

住宅ローンはまず事前審査を行い、その後正式に住宅ローン融資を申し込みます。住宅ローンの本審査は1〜2週間、遅くとも1か月で審査結果が出ることになります。ここでは審査からローン実行までの流れと注意点について、解説します。

提出書類の準備と注意点

住宅ローンを組む中で特に本審査の提出書類に不備があると審査に通らない可能性があるため、慎重に進めていく必要があります。

まず先に行われる事前審査では、本人確認書類や健康保険証・源泉徴収票・返済中のローンがある場合は残高証明書等が必要になります。各書類ともコピーを提出して問題ありません。

一部の書類については『発行から3ヶ月以内のもの』というように有効期間が設定されているものもあります。また同一書類が複数枚必要になることもあるため、事前に必要枚数を確認しておきます。

本審査では住民票や印鑑証明書・収入を証明する書類・土地建物に関する書類といったより詳細な書類が必要です。事前審査よりも提出する書類が多くなるので、内容や部数・有効期間をしっかり確認してから提出しましょう。

住宅ローン実行までのスケジュールと流れ

住宅ローンの申し込みは、購入したい物件が見つかった段階で同時に進めていきます。スムーズに進めるためにも、住宅ローンの契約から融資までの一連の流れを確認しておきましょう。

まず、購入したい物件が見つかり次第、住宅ローンを組む金融機関を探して事前審査を受けます。事前審査を通過したら、住宅ローンの本審査を受けていきます。

本審査の融資承認がおり、借入額や金利・返済方法などが決定した後、住宅ローンの契約を行います。なお、住宅ローンの契約は正式には金銭消費貸借契約と呼ばれます。住宅ローンの契約は、平日日中に金融機関の店舗で行われることが一般的です。

本審査・住宅ローン契約と並行して不動産の売買契約も進めていきます。売買契約が完了し、ローン契約も締結した後は、引き渡し日を待って最後の手続きを完了させます。基本的には融資金が入金された口座から売主に残代金を振り込むため、引き渡しは司法書士同席のもと融資を受けた金融機関で行われます。

以上が大まかな流れになります。

注文住宅ローンの返済と生活設計

最後に住宅ローンの返済方法・繰上げ返済・住宅ローンの活用について説明します。

返済方法の種類と特徴(元利均等返済、元金均等返済)

住宅ローンの返済方法は、大きく分けると2種類あります。

一つは『元利均等返済』。元金と利息を合わせた毎月の返済金額を一定にする返済方法です。毎月の返済額が変わらないため、返済計画を立てやすく、急な出費などにも備えられるなど将来の見通しが立てやすいのがメリットです。ただ、後述する元金均等返済と比べて総返済額が多くなるという点がデメリットといえます。

もう一つは『元金均等返済』。毎回の返済元金を一定の金額とするもので、返済元金に利息を加えた額面が毎月の返済額になるため、ローン残高に応じて毎月の返済額が変化します。元利均等返済に比べて総返済額が少なくなることがメリットです。

もっとも返済開始当初は毎月の支払額が多くなる点がデメリットといえます。なお、元金均等返済は、金融機関によっては取り扱っていないこともあるため、事前に確認しておく必要があります。

繰り上げ返済のメリットとデメリット

繰り上げ返済とは、元金の一部または全部を当初の予定よりも前倒しで返済することをいいます。これにより、繰り上げ返済した元金部分に対応する金利を支払う必要がなくなるため、将来的に金利が上がった場合に受ける影響が軽減されるというメリットがあります。

一方で繰上げ返済を行った場合、まとまったお金を動かすため、一時的に資金不足になり急な出費に対応できなくなる可能性があります。

また、後述する住宅ローン控除を受けている場合、一部繰り上げ返済を行うことで住宅ローン控除の金額は減少します。期日を短縮して一部繰り上げ返済を行った結果、当初の返済開始からの返済期間が10年未満となった場合は住宅ローン控除の適用が受けられなくなるといったデメリットが生じてきますので事前に確認しておきましょう。

なお、繰り上げ返済時に手数料がかかる場合もありますので、できる限りまとめて返済を行うようにします。

住宅ローン控除の活用と注意点

住宅ローン控除とは、住宅の新築や購入などの目的で住宅ローンを組んだ場合に、年末時点の住宅ローン残高に応じて所得税が控除される制度を指します。

住宅ローン控除が適用されると、年末時点の住宅ローン残高の0.7%が最大13年間にわたって所得税から控除されます。所得税より控除額のほうが多い場合は、翌年の住民税より9万7,500円を上限として控除できます。

住宅ローン控除を受ける場合は、住宅ローンを利用した居住用住宅の購入者であり、かつ新築住宅の場合は省エネ基準に適合すること・居住用の家屋であることといった一定の条件を満たす必要があります。

現在住宅ローン控除は2025年まで適用期限が延長されています。条件に当てはまる方はぜひ積極的に活用を検討してみてください。

まとめ

住宅ローンの種類や特徴から、審査・金利・返済方法等住宅ローンに関する項目を網羅的に紹介してきました。

住宅ローンはデメリットもありますが、金利優遇措置を受けられるなどのメリットも多く存在します。

住宅購入は家計に大きく関わってきますので、現在の生活や将来のライフプランからよく吟味して検討していくことが重要です。

ご自身の生活状況に合わせて選択していきましょう。

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マイホムニュース編集部

マイホムは1000社以上の住宅会社と取引があり、また社内にも住宅会社出身者が多数在籍しています。この住宅業界に特化した豊富な知見を、信頼できる適切な情報を集めたいユーザーに届けていきます。

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