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家の防災は大丈夫?新築時に考えたい地震・火災・水害などの防災対策

新しい家を建てるなら、防災についても一度真剣に考えてみるのはいかがでしょうか。せっかく建てた大切な家が、地震や水害で壊れてしまったら悲しいですよね。

しかし、しっかりと対策することでこのような悲劇を防げる可能性は各段に上がります。

特に注文住宅であれば自分の好みに合わせて、防災機能を向上させることができます。事前に知識さえあれば、立地選びから始まり、設計の工夫、さらには防災設備や備品まで、トータルで備えることができるのです。

この記事では、そのような注文住宅の防災対策について、地震に強い家づくりのコツや水害リスクへの対処法など、知っておくと得する情報について解説していきます。

注文住宅で実現する防災対策の基本

住宅の防災対策を考える際、何から始めたらいいか分からないという方も多くいらっしゃるかと思いますが、すべきことの大部分は家の立地選び~設計段階にあると考えた方が良いでしょう。

防災対策においては、立地選びと地盤調査、耐震設計と構造計算、そして災害リスクに応じた設計の工夫が非常に重要なのです。

まず安全な土地を選ぶこと。そして地盤調査を行い、しっかりとした耐震設計と構造計算により地震に強い家を建てること。そして、地震以外の様々な災害リスクにそなえた設計の工夫をすること。この3点が大きなポイントとなります。

それでは、これらのポイントについて詳しく見ていきましょう。

立地選びと地盤調査の重要性

家の防災対策を考える際、一番重要なのは立地選びと地盤調査と言っても過言ではありません。なぜなら、家を建てる場所が安全でないとどんなに頑丈な家を建てても意味がないからです。

土地を選ぶ際は、ハザードマップをチェックし浸水リスクや土砂災害の危険性がある場所は避けるのがベストです。また、過去の災害履歴も調べておくとより安全な場所が見つけられます。

立地が決まったら次は地盤調査です。地盤が弱いと地震の際に家が傾いたり、ひどい時は倒壊したりするためとても危険です。

そのため、専門家に依頼してしっかりと地盤調査を行うことが大切です。調査の結果、もし地盤が弱かった場合は、地盤改良を行いしっかりと補強しておく必要があります。

なお地盤改良とは、建物や構造物を建設する際にその土台となる地盤の性質を人工的に改善することを指します。

地盤改良の方法は様々ありますが、代表的なものとしては地表面から数メートルの深さまでの地盤をセメントや石灰などの安定材を混ぜることで固める表層改良や、地盤の深い部分まで特殊な機械を用いてセメントスラリーを注入し、地盤と混合することで強固な改良体を作る深層混合処理などがあります。

また、地盤に砕石を詰めた杭を打ち込み地盤の密度を高め支持力を向上させる砕石杭や、地盤に薬液を注入し土粒子を固結させることで地盤の強度を高める薬液注入、砂杭を地盤に打ち込み周辺地盤を密実にすることで地盤の支持力を高めるサンドコンパクションパイルなどの方法もあります。

耐震設計と構造計算の基準

立地選びと地盤調査の重要性は上で記載した通りですが、次に重要なのが耐震設計と構造計算です。

耐震設計とは、地震の際に家が壊れないように素材・構造の強度や地震による負荷を計算に入れて設計することですが、これが非常に重要です。なぜなら、地震大国の日本ではいつ大きな地震が来てもおかしくないからです。

前提として、耐震設計をする際は建築基準法という法律で決められた最低限の基準は必ず満たさなければなりません。しかし、不安な場合はそれより高い基準で設計しておくことをお勧めします。

例えば基準として、長期優良住宅や耐震等級3などを目安にすると、かなり地震に強い家になります。そのような高い基準で設計するには、しっかりとした構造計算が必要不可欠です。

構造計算とは、家にかかる力を計算してどれくらいの強度が必要かを導き出すことで、専門家に依頼することが必要です。

その際、その計算結果をきちんと確認して納得できる耐震性能が確保されているかチェックすることが施主の責任となります。

災害リスクに応じた設計の工夫

立地選びと地盤調査、耐震設計と構造計算と並び、災害リスクに応じた設計の工夫も極めて重要です。

なぜなら一口に災害と言っても、地震だけでなく台風や洪水・土砂災害など性質の違う様々な災害があるからです。そのような災害リスクを考慮して家づくりに反映させることが、本当の意味での防災対策と言えるでしょう。

例えば、洪水リスクが高い地域なら高床式の家にしたり、水の浸入を防ぐ工夫をしたりするのがベストです。また土砂災害が心配なエリアでは、崖側を避けて家を建てる・擁壁を設置する、といった対策が必要になってきます。

また、最近は大型台風やゲリラ豪雨などが多いため雨水対策も非常に重要です。屋根や外壁の防水性を高めたり排水設備を充実させたりすることで、水害のリスクを減らすことができます。

さらに、停電対策も忘れてはいけません。災害時には電気が止まることがよくあるため、太陽光発電や蓄電池、自家発電設備をあらかじめ導入しておくといざという時に役立ちます。

このような災害リスクに応じた設計の工夫は、自由度の高い注文住宅だからこそできる部分もあります。自分の土地の特性を踏まえて、オーダーメイドの防災対策を施すことでより安全で安心な家づくりが期待できるのです。

地震に強い家を設計するポイント

ここまで基本的な防災対策を見てきましたが、やはり一般的に一番怖いとされる災害は、家の倒壊リスクが高く、火災のような二次災害の危険性も高い地震ではないでしょうか。

地震に強い家を建てるには耐震等級と制振構造の選択・基礎と軸組の強化・火災対策を考えた材料選びが重要です。

ここからはこの3つのポイントについて詳しく見ていきましょう。

耐震等級と制振構造の選択

地震に強い家を建てるなら、耐震等級と制振構造の基準をどこに置くかが極めて重要です。

耐震等級とは、家の耐震性能を表す指標ですが等級が高いほど地震に強くなります。例えば耐震等級3なら、建築基準法の1.5倍の強度があるため安心度はかなり高いと言えます。

また制振構造とは、地震の揺れを吸収したりゆっくりにしたりする仕組みのことです。ダンパーやディスシペーターと呼ばれる様々な制振装置がありますが、これらを取り入れることで地震の際の揺れを小さくできるのです。

家を建てる際は予算と相談しながら、なるべく高い耐震等級を選んで制振構造も取り入れることをおすすめします。

なお、どの程度の耐震等級が必要か、どの制振構造が合っているかは、その家の立地やその他条件によって変わってくるため一概に言えません。そのため、設計士や構造設計の専門家に相談しながら自分の家に最適な組み合わせを選ぶことが大切です。

基礎と軸組の強化方法

地震に強い家を建てるには、耐震等級と制振構造と同じくらい、基礎と軸組をしっかりと強化することが極めて重要です。

基礎とは家の土台となる部分で、コンクリートで作られています。

この基礎が頑丈でないと、地震の際に家が傾いたりひび割れたりしてしまうため、基礎は深くて丈夫なものにすることが大切です。

また軸組とは、家の骨組みのことで、柱や梁などがこれにあたります。

この軸組が弱いと地震の揺れで家が潰れてしまうため、しっかりと強化しておく必要があります。

軸組を強化する方法は色々ありますが、例えば筋交いを入れたり、構造用合板を貼ったりすることで家の強度が上がります。また、柱と梁の接合部分を金物で補強するのも効果的です。

最近は、スーパーウォール工法や制震装置を組み込んだ軸組工法なども注目されています。このような新しい技術を取り入れることで、より高い耐震性能が期待できます。

基礎と軸組の強化は、家の骨格を丈夫にするための基本なので、しっかりとした設計と施工が求められます。そのため、信頼できる工務店や設計士を選び、納得のいく強化方法を選択することをお勧めします。

火災対策を考慮した材料選び

ここまで説明した通り、地震に強い家を建てることは勿論大切ですが、火災対策も忘れてはいけません。地震が起きた際にガスが漏れるなどして、火事になってしまったらせっかくの家が全焼してしまう可能性もあるためです。

火災対策を考える上で、建材の選び方はとても重要です。

例えば、外壁や屋根には燃えにくい材料を使うことをおすすめします。

サイディングや金属系の屋根材は火災に強いので安心です。

また、内装材も工夫が必要です。

壁や天井にはできるだけ不燃材や準不燃材を使ってみると良いかもしれません。石膏ボードや珪藻土などは火に強いので人気があります。

床材も大事なポイントの一つです。

特に、階段の踊り場や避難経路になる場所は必ず燃えにくいものを選ばなければなりません。タイルやテラゾー、コンクリートのような不燃材が適しています。

さらに、断熱材も見落とせません。

断熱材にはプラスチック系のものもありますが、燃えやすくて危険なためグラスウールやロックウールのような不燃性のものを使うと良いでしょう。

このような建材選びは、火災のリスクを減らすために極めて重要です。ただし、コストとの兼ね合いもあるため、予算と相談しながらなるべく安全性の高いものを選ぶことをお勧めします。

水害に備えた注文住宅の工夫

近年の異常気象により、水害による被害も増加傾向となっています。そのため、注文住宅を建てる際は、水害対策も考慮しておいて損はありません。

水害に強い家を建てるには、まずハザードマップを確認して安全な立地を選ぶことが大切です。リスクがある場所に建てる場合は、高床式設計と盛り土で床上浸水を防ぐといった工夫が必要になります。

また、建材と設備は水に強いものを選ぶ必要があります。外壁や基礎にはコンクリートやタイルを使い、内装は水に強い素材を選ぶのが良いでしょう。電気系統や給湯器などは高い位置に設置するのが安全です。

水害に負けない注文住宅には、このように立地選びから設計・建材・設備まで、総合的に対策していくことが重要となります。

ハザードマップの確認と立地選び

ハザードマップは、その地域で起こりうる水害のリスクを示した地図のことを指し、川の氾濫や高潮・内水氾濫などの危険度が分かります。

そのため、家を建てる前に必ずハザードマップをチェックして浸水リスクが高い場所は避けるのがベストです。特に、川の近くや海岸沿い低地などは要注意です。

なお、リスクが高い場所でも、他の条件が良くどうしてもそこに建てたいという場合もあるでしょう。そのような場合は、ハザードマップで浸水の深さを確認し、その深さに応じて家の設計に工夫を加えるという手段があります。

例えば予想浸水深さが1mなら、床上浸水を防ぐために地盤から1m以上高い位置に床を設けたり、高床式にしたりするなどといった対策が考えられます。

水害から大切な家を守るためには、まずハザードマップをしっかり確認することが第一歩です。そこから、安全な立地を選び、リスクに対応した設計の工夫を進めると良いでしょう。

高床式設計と盛り土の効果

水害対策でポピュラーなのが、高床式設計と盛り土です。

高床式設計とは、家の床を地面から高く上げる工夫のことです。例えば、1階の床を地盤から1mほど上げることで、たとえ浸水しても床上浸水を防ぐことができます。さらに、床下は水が流れやすいようにスペースを開けておくとより効果的かもしれません。

もう一つの盛り土とは、家を建てる敷地全体の地盤を高くすることです。敷地を1mほど盛り土することで、周りの地面よりも高くなるため水が入りにくくなります。

この高床式設計と盛り土を組み合わせることで、水害のリスクを大幅に下げることができます。ただし、盛り土する際は周りの土地に影響がないように、擁壁を設けたりする必要があるため専門家に相談することをお勧めします。

また、高床式にすることで、床下の空間を有効活用できるのもメリットの一つです。収納スペースにしたり駐車場にしたりと、アイデア次第で便利に使えます。

ただし、高床式や盛り土を取り入れるには、当然コストがかかります。また、デザイン的に好みが分かれるところもあるため十分に検討してみると良いでしょう。

水に強い建材と設備の選定

水害に強い家を建てるなら、建材と設備の選び方にも気をつける必要があります。

まず、外壁や基礎には、コンクリートやタイルなど水に強い材料を使うのが鉄則です。木材は水を吸収してしまうため、浸水するとダメージを受けやすいのです。

また、内装材もなるべく水に強いものを選ぶことが重要です。例えば、床は濡れても大丈夫なタイルやビニル製の素材がおすすめです。壁も、石膏ボードの下地に防水シートを貼るなどすると安心です。

キッチンや洗面所・トイレなどの水回りは、特に水害対策が必要な場所です。そのため、これらの部屋の床は、水に強い素材で仕上げることを検討してみてください。

さらに、設備も工夫が必要です。電気系統はできるだけ高い位置に配置して、浸水しても故障しにくいようにします。また、配管には逆流防止弁をつけておくと下水が逆流してくるのを防げます。

それから、エアコンの室外機や給湯器などは、なるべく高い位置に設置するのがポイントです。浸水するとこれらの設備は壊れてしまうため、少しでも高い方が安全です。

建材と設備は水害対策の要なのでしっかりと考える必要がありますが、最終的に予算という制限もありますので、全てにコストをかけるというよりは、優先順位をつけて選んでいくのが良いでしょう。

注文住宅ならではの防災設備と備品

家を建てるなら、せっかくなので防災設備面でも優れた家にしたいですよね。

注文住宅ならではの防災設備として、耐震シェルター・非常用電源・備蓄品収納などが考えられます。

一例ではありますが、これら設備についても候補として概要を把握しておきましょう。

耐震シェルター

耐震シェルターとは、家の中に作る頑丈な部屋のことで、地震の際にはそこに逃げ込むことで安全を確保することが可能です。

コンクリートの壁で囲まれ、天井も床も強化されているため、たとえ家が崩れてもシェルターの中は無事です。そして、中には水や食料、懐中電灯などを備蓄しておくとしばらくの間は外に出なくても大丈夫です。

耐震シェルターは新築の時に一緒に作るのが一般的ですが、リフォームで後から作ることもできます。なお、後から設置する場合はコストが高くなる傾向があります。

前提として、新築時にシェルターを作る場合でもある程度のコストが必要になってくるため、予算との兼ね合いもよく考える必要があります。

非常用電源と蓄電池の設置

家の防災を考えるのであれば、非常用電源と蓄電池の設置も検討をお勧めします。

災害時には停電になることがよくあります。そうなると、冷蔵庫も使えなくなり夜は真っ暗で何もできなくなってしまいます。

しかし非常用電源があれば、停電中も最低限の電気は使えるようになります。

具体的には、ポータブル発電機やガスタービン発電機などが候補として挙げられます。

これらを備えておけば、冷蔵庫や照明、スマホの充電くらいはできるようになるでしょう。

あるとさらに安心なのが蓄電池です。蓄電池とは、普段は太陽光発電などで溜めた電気を蓄えておいて停電時に使うシステムのことです。これがあれば、発電機の燃料が無くなっても、しばらくは電気が使えるためかなり心強いです。

ただし非常用電源にしても蓄電池にしても、導入にはそれなりのコストがかかり、置き場所の確保も必要です。予算との兼ね合いをよく考慮するようにしましょう。

なお非常用電源は、キャンプ道具のような感覚でアウトドアでの使用も可能なので、防災グッズを兼ねたレジャー用品として揃えるのはおすすめです。

インテリアを邪魔しない備蓄収納

防災を考えるなら、備蓄品の収納場所にも工夫が必要です。

食料や飲料水、その他の防災グッズは、かなり嵩張りますし普段は使わないので、リビングに置いておくわけにもいきません。しかし、いざという時にすぐ取り出せないと意味がないためスマートに収納できるスペースがあるのが望ましいでしょう。

そこでおすすめなのが、インテリアを邪魔しない備蓄収納です。具体的には、階段下のデッドスペースを活用したり床下収納を設けるといった収納方法があります。

階段下は普段使わないスペースですので、そこに備蓄品を隠すようにして収納すれば見た目も気にならず取り出しやすいですよね。また床下収納は、通常は点検口くらいしかありませんが大きな扉をつけて収納スペースにすれば、たくさんの備蓄品を保管できます。

なお、ウォークインクローゼットを備蓄倉庫のように使うのもおすすめです。中に棚を増やして非常食や水などを整理して置いておけばいざという時に便利ですし、普段はクローゼットとして使えるので一石二鳥です。

ただし、どの方法にしても、湿気対策だけは忘れてはいけません。備蓄品が傷んでしまうとせっかくの準備が無駄になってしまうため、除湿剤を置いたり定期的に点検したりすることが必要です。

まとめ

いかがでしたか?家を建てる際、デザインや間取りのことばかり考えがちですが、防災面も極めて重要と言えるはずです。

特に注文住宅は、その自由度の高さから防災対策を盛り込みやすいことが利点です。

これから注文住宅を建てることをお考えの方は、ご自身やご家族の命を守るためにも是非一度、家の防災対策をご検討されてみてはいかがでしょうか。

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マイホムニュース編集部

マイホムは1000社以上の住宅会社と取引があり、また社内にも住宅会社出身者が多数在籍しています。この住宅業界に特化した豊富な知見を、信頼できる適切な情報を集めたいユーザーに届けていきます。

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