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注文住宅を建てたいけれど「まず何から始めるべきかわからない」とお悩みの方もいるでしょう。
注文住宅を建てる流れは、以下の8ステップ。一般的には完成するまでに約8〜15ヶ月かかると言われています。
- 予算検討
- 土地探し
- ハウスメーカー・工務店選び
- 間取り設計プラン・見積もりの提示
- 工事請負契約の締結
- 建築プランの打ち合わせ
- 着工
- 竣工・引き渡し・入居
注文住宅を建てるまでにやるべきことは多く、時間もかかります。スムーズに建てるには、計画的にスケジュールを組むことが大事です。
本記事では注文住宅の流れ以外にも、費用や建てる際の注意点を解説しています。理想のマイホームを建てるためにも、ぜひ一読してみてください。
注文住宅とは土地や間取りを自由に決めて建てられる戸建てのこと
注文住宅とは、土地や間取りを自由に決めて建てられる一戸建ての住宅を指します。
注文住宅と建売住宅の違いは、以下のとおりです。
注文住宅 | 建売住宅 | |
立地 | 自由 | 既定 |
所要費用 | 4,694万円※ | 3,719万円※ |
期間 | 約8〜15ヶ月 | 約4ヶ月 |
外観・内観 | 自由 | 既定 |
設備 | 自由 | 既定 |
建材 | 自由 | 既定 |
手続き | 複雑 | シンプル |
※出典:住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」
注文住宅は、建売住宅に比べて費用も労力もかかります。その分オリジナリティを追求したこだわりのある家を好きな場所に建てられるのが魅力です。
そのため、注文住宅は「費用や労力がかかっても理想のマイホームを建てたい」という方におすすめです。
また最近では、フルオーダーの他にセミオーダー形式の注文住宅も増えています。セミオーダー形式なら、決められた間取りや設備などの中から好きなものを選択可能です。
一方建売住宅は、注文住宅よりも費用や労力を抑えられます。注文住宅と建売住宅の違いの詳細は、以下の記事で解説しています。ぜひ併せてお読みください。
関連記事:注文住宅と建売住宅(新築分譲住宅)の違いとメリット・デメリット
注文住宅を建てる流れを8ステップで解説
注文住宅を建てる流れは、主に以下の8ステップです。
- 予算検討
- 土地探し
- ハウスメーカー・工務店選び
- 間取り設計プラン・見積もりの提示
- 工事請負契約の締結
- 建築プランの打ち合わせ
- 着工
- 竣工・引き渡し・入居
あらかじめ流れを理解できれば、都度必要な準備をスムーズに行えます。1つずつ解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.予算検討
注文住宅にかかる費用は、土地の購入費と家の新築工事費です。
注文住宅の予算検討をする際は、以下の3つの金額を割り出しましょう。
- 注文住宅にかかる費用
- 自己資金
- 住宅ローンで借りられる金額
多くの方は自己資金と住宅ローンの借り入れで、注文住宅にかかる費用を捻出します。
借り入れ金額は、住宅保証機構株式会社の公式HPに記載されている住宅ローンシミュレーションツールを利用すれば、スムーズに把握できます。
コスト面とのバランスを考えて、無理なく理想のマイホームの実現を目指すのが大切です。
2.土地探し
次に注文住宅の土地探しを行います。
土地探しの主な方法は、インターネット検索、不動産相談の2つです。どちらの方法でも問題ありませんが、必ず自分でも現地に足を運びましょう。実際の土地を確認しておかないと、イメージとのギャップが生じる可能性があるからです。
またハザードマップの確認も必須。災害リスクを知った上で、利便性や周囲の環境などの要素を加味して判断するのが大切です。
注文住宅の詳しい土地探しの流れが知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
関連記事:注文住宅の土地探しの流れ3ステップ!理想の家を建てるためのコツも
3.ハウスメーカー・工務店選び
土地探しが終わったら、ハウスメーカー・工務店選びに移ります。
選ぶ際は、さまざまなハウスメーカー・工務店を比較するのがポイントです。具体的には総合住宅展示場に足を運び、モデルハウスをチェックするのがおすすめです。
総合住宅展示場ならさまざまなモデルハウスを一気に見られるため、理想の外観・内観を実現できる依頼先を見つけ出せるでしょう。
ハウスメーカー・工務店の選び方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
関連記事:工務店の選び方6選!ハウスメーカーとの違い・優良店を見つけるコツ
4.間取り設計プラン・見積もりの提示
厳選したハウスメーカー・工務店に、間取りの設計プラン・見積もり作成を依頼します。
間取りの設計プラン・見積もりを提示してもらうためには、以下5つの情報を共有しましょう。
- 建設予定の土地
- 予算
- 建材の要望
- 間取りや設備の要望
- デザインの要望
理想のマイホームを建てるためにも、イメージをできるだけ詳細に伝えるのが大切です。実際に提示された各社の間取りプラン・見積もりを比較して、1社に絞り込みましょう。
5.工事請負契約の締結
依頼するハウスメーカー・工務店を決めたら、工事請負契約の締結に移ります。
締結前は担当者と打ち合わせを行い、細かいプランを決めましょう。追加料金の発生やキャンセルを防ぐためにも、契約内容をきちんと確認して締結するのが重要です。
また仮契約の時点で、申込金が必要な場合があります。直前に資金が足らずに焦ることのないよう、事前に準備をしておきましょう。
仮契約の時点ではキャンセルができますが、申込金が返還されない可能性もあります。キャンセルに関する規定も、必ず確認しておくのが大切です。
6.建築プランの打ち合わせ
工事請負契約の締結が完了したら、建設プランの打ち合わせに進みます。建設プランの打ち合わせでは、主に以下の5項目について話し合いましょう。
- 間取り
- 設備・建材
- 内装・外観のデザイン
- 着工日の日程調整
- 住宅ローン本審査などの確認
打ち合わせが完了し書類が完成したら、自治体の建築確認申請に移ります。
建築確認申請とは、着工前に計画が建築基準法などに適しているか確認する書類です。必要事項を記入して、指定の確認検査機関に提出します。
建築確認申請の交付が完了すれば、着工のスタートです。申請が通らなければ再度打ち合わせをし、建築プランを練り直す必要があります。
7.着工
建築確認申請の承認後、着工が始まります。
着工の際は騒音が発生するため、最近では現場監督が近隣の方の挨拶周りやお知らせの手紙を投函をしに行ってくれる場合があります。ハウスメーカーや工務店によって対応の有無が異なるので、事前に確認しておくと安心です。
自身で挨拶回りにいく場合は、入居後も円滑に付き合いをしていくためにも手土産を持って行くのがおすすめです。
着工後は、引越しの準備や新居で必要な家具・家電の購入を進めましょう。火災保険や外構工事業者の検討もはじめておくと良いです。
また工事中はたまに見学に行くと、進捗の確認ができます。現場の方に差し入れを持っていくと、気持ちよく作業をしてくれるでしょう。
8.竣工・引き渡し・入居
建物が完成したら、問題なく家が建てられているか立ち会ってチェックします。
この時点で気になる箇所を伝えれば、直してもらえます。引き渡し後に指摘した場合、基本的に追加料金が発生するので注意が必要です。遠慮せずに気になる部分は必ず伝えましょう。
建物が完成した時点で、金融機関から住宅ローンが降りるため、建築代金の支払いを行います。
問題がなければ、ついに夢のマイホームに入居です。
住宅ローンの組み方や支払の流れについては、以下の記事を併せてチェックしてみてください。
関連記事:注文住宅ローンの3つの組み方とは?流れや融資についても解説
注文住宅にかかる費用は主に2種類
注文住宅にかかる費用は、主に以下の2種類。国土交通省の令和2年度住宅市場動向調査によると、注文住宅にかかる平均費用は4,606万円です。
- 土地の購入費
- 家の新築工事費
大まかな費用について事前に知っておけば、予算を立てやすくなるでしょう。
1.土地の購入費
土地購入の際は、売買契約時に代金の5%〜10%程度の手付金を支払う必要があります。
住宅ローンの支払いが始まるのは、注文住宅が完成してからです。手付金は自己資金で補う必要があります。
ただその土地に家を建てる前提なら「土地先行融資」と「つなぎ融資」という住宅ローンを利用して、手付金の支払いにあてられます。
また引き渡し直前にも残金を支払う必要があります。こちらも同様に自己資金または金融機関から融資されたお金で支払いましょう。
2.家の新築工事費
新築工事費は、主に以下の3つが含まれます。
- 本体工事費(建築費)
- その他工事費(附帯工事費)
- 諸費用
注文住宅の場合、建築費以外にも費用が発生する可能性があります。例えば古い家が残っている場合は解体工事費や地盤が弱いと地盤改良工事費がかかるでしょう。
また以下の諸費用も考えておく必要があります。
- 登記費用
- 地鎮祭・上棟式の費用
- 設計料
- 税金
ハウスメーカー・工務店に、その他工事費や諸費用の詳細を確認しておくと安心です。
注文住宅を購入する際に注意すべき3つのポイント
注文住宅を購入する際は、以下の3点に注意しましょう。
- 契約内容の変更・追加工事はトラブルの原因になる
- 工事が遅れる可能性がある
- ローン特約は必ずつける
事前に注意点を頭の片隅に入れておけば、注文住宅を建てる際に起こるトラブルや後悔を防げます。
1.本契約後に内容の変更・追加工事を依頼しない
本契約後に当初の間取りプラン・見積もりを大幅に変更して追加工事を行うと、トラブルの原因になる可能性があります。また予算を大幅にオーバーしてしまう可能性もあるでしょう。
本契約前には理想のマイホームを建てるための情報を詳細に整理し、建設プランを抜かりなく伝えるようにしましょう。
また「やっぱりあれがいいこれがいいと」後から優柔不断にならないためにも、家族ときちんと話し合い建設プランを練るのが大切です。
2.工事が遅れる可能性がある
注文住宅を建てる際は、天候不良や資材不足などにより工事が遅れる可能性があります。万が一の遅延に備えて、依頼先のハウスメーカー・工務店に補償があるかどうかを確認しておきましょう。
また注文住宅を建てる場合は、入居日までのスケジュールを余裕を持って組むのが大切です。やるべきことが多いので、工事以外の過程でも計画通りに進まない可能性があるからです。
工事の遅延があっても、スムーズに引渡しを受けられるように計画を立てておきましょう。
3.ローン特約は必ずつける
注文住宅を建てる際は、ローン特約を必ずつけましょう。ローン特約とは、本審査が通らなかった場合に工事請負契約を白紙に戻せる特約のことです。
ローン特約が含まれていない場合は、支払済の手付金などが返還されない可能性があります。場合によっては違約金が発生する場合もあるので、注意が必要です。
また自己都合の場合は、ローン特約は適用されません。例えば希望していた金額と融資額が異なったり、その他諸費用などを含めたら予算オーバーしてしまったりなどの場合が当てはまります。
ローン関連のトラブルが発生しないようにするためにも、コスト面のバランスも取って注文住宅を建てましょう。
注文住宅の流れに関するよくある質問
注文住宅の流れに関するよくある質問についてまとめました。
- 注文住宅でローンを組む際の流れは?
- 土地あり・土地なしそれぞれの注文住宅が完成するまでの期間は?
- 注文住宅の契約後に予算オーバーが起きる原因は?
- 注文住宅の契約前に確認すべきことは?
知っておくとスムーズにマイホームを建てられ、トラブルなども回避できます。
1.注文住宅でローンを組む際の流れは?
注文住宅でローンを組む際の流れは、以下のとおりです。
- 仮審査
- 本審査(土地・建物の契約時どちらかのタイミング)
- ローンの契約手続き
- 融資開始
金融機関からの融資が始まるのは、注文住宅が完成した時です。それまでの間にかかる費用は自己資金で払う必要があります。
土地のみ・建物のみの場合は、上記の工程1回で済みます。ただ土地、建築費用それぞれローンを組む場合は、上記の工程が2回必要です。
2.土地あり・土地なしそれぞれの注文住宅が完成するまでの期間は?
注文住宅が完成するまでの期間は、以下のとおりです。
- 土地なしの場合:8〜15ヶ月
- 土地ありの場合:6〜7ヶ月
注文住宅を建てる際は、やるべきことがとにかく多いです。状況によっては上記以上の時間がかかる場合もあるでしょう。
スムーズに理想のマイホームを建てるためには、余裕を持ったスケジュール組みが大切です。
3.注文住宅の契約後に予算オーバーが起きる原因は?
注文住宅の契約後に予算オーバーが起きる原因は、以下のとおりです。
- 家のイメージがフワッとしたままで契約してしまう
- 具体的な予算設定をしていない
- 予算に合っていない高い施工会社を選んでいる
注文住宅を建てる際は、コスト面と理想のマイホームのイメージのバランスを取りましょう。予算に合っていないマイホームを無理に建てようとするのではなく、予算内で工夫するのが大切です。
4.注文住宅の契約前に確認すべきことは?
注文住宅の契約前に確認すべきことは、以下の5点です。
- 見積もり内容(費用・建築プラン)の詳細
- キャンセルした場合、申込金などが返還されるか
- 工事スケジュールと遅れた場合の補償や対応はしっかりしているか
- 支払い日はいつなのか
- キャンセル時のローン特約が付帯しているのか
本契約後に後悔しないためにも、細かいところまで内容を確認しましょう。
またキャンセルをすると違約金が発生する可能性もあります。キャンセルの予定がなくても、注意事項には目を通しておくと安心です。
注文住宅は流れを理解して計画的に建てよう
注文住宅を建てる流れは、以下の8ステップです。
- 予算検討
- 土地探し
- ハウスメーカー・工務店選び
- 間取り設計プラン・見積もりの提示
- 工事請負契約の締結
- 建築プランの打ち合わせ
- 着工
- 竣工・引き渡し・入居
注文住宅が完成するまでには、約8〜15ヶ月かかると言われています。またやるべきことが多く、想定していた時期に入居できない可能性もあります。
注文住宅をスムーズに建てるためには、それぞれの工程に具体的にどれくらいの時間がかかりそうかを考えて、スケジュールを組みましょう。
きちんと流れを押さえておけば、こだわりのある理想のマイホームを短期間で手に入れられます。