【トップセールスと語る】3年目で年間20棟を受注できた、たった一つの事(前編)|株式会社はなおか 営業部 粟田 宗一郎氏
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徳島県No.1ビルダーで、年間20棟超える受注を継続的に上げていらっしゃる粟田 宗一郎氏(株式会社はなおか 営業部 新住宅ブランド事業プロジェクトリーダー。以下、粟田さん)に、乃村 一政(株式会社マイホム 代表取締役CEO)よりインタビューをさせていただきました。
栗田さんよりお聞きできた、『たった3年でトップセールスになれた秘訣』、『接客中に心がけている事』、『最近のお客様の状況』を、前中後編に分けてお届けいたします。
今回は前編です。
「売りたい」「家を建ててほしい」ではなく、有意義な時間を提供する
おそらく私が粟田さんに初めてお会いしたのは、まだ業界入って2年目とか3年目ぐらいの時ですよね?
粟田さん 多分3年目くらいでしょうか。
まず、1つ目の質問ですが、今御社がされておられるエリア、会社名、改めてお名前、入社何年目かなど教えていただけたらと思います。
粟田さん 徳島県をメインに活動している株式会社はなおかに勤めており、営業を8年させていただいております。
粟田さんが、業界に入られて、初めて年間20棟受注したのは入社何年目ぐらいでしょうか?
粟田さん 入社して、ちょうど3年目になります。
早いですね!非常に多い受注をされる中で、営業として意識している事をお教えいただいてよろしいでしょうか?
粟田さん 1番意識しているのは、お会いしていただけるお客様に対して、常に感謝の気持ちを忘れず、貴重な時間を使って会いに来ていただいたりとか、家を見ていただいているという感覚を忘れない事です。お打ち合わせ時間を有意義に、少しでも知識をつけて帰っていただく事を意識しております。後は、見た目です。第一印象は、とにかく相手の気にならないように、おしゃれすぎず、ダサすぎずという所です。相手に、何もイメージを与えないようにというのも考えております。
営業という立場で、まずお客様をお支えするというスタンスということでしょうか?
粟田さん そうですね。お客様は、家を建てたいという思いがありお越しいただいているのが大前提で、こちらの「売りたい」「家を建てて欲しい」などの気持ちもなく、出す気もございません。お越しいただいている理由もお客様によって違うので、とにかくそこを聞いて、少しでもその時間が良かったと思ってもらえる事を心がけております。
お客様からの信頼を勝ち得るのは事前準備と引き出しの多さ
初めてお客様が来店された時、まずどのような接客をされていらっしゃいますか?
粟田さん 基本的にはモデルハウスを見ていただいたり、後は対面で、現状のお悩みや、お越しいただいた理由などを聞いております。
「営業をやり始めたばかり」や「ちょっと伸び悩んでいる」という営業さんに、より分かりやすく伝えたいので、細かくお伺いいたします。来店した直後は、まずどのようなステップになりますか?
粟田さん 例えば、来店する前に事前連絡をいただいて、モデルハウスの案内要望があれば、そのままモデルハウスにお連れし、案内しながらお話を聞かせていただいております。
もしくは、家の相談がしたいと来店のご予約をいただいた方は、モデルハウスではなくて、会社の事務所のほうに来ていただいて、そこで対面にてまず話をお聞かせいただいきます。お越しいただいた理由だったり、現状の悩みだったり、何を求めていらっしゃるかというのを聞くようにしています。例えば、家づくりの流れが全然わからない、今日ここに来たのが最初なんですという方には、家づくりのスケジュールから、今後どの様に進めていくのかという話をいたします。お金面が不安な方には、まず、資金計画について説明差し上げて、ファイナンシャルプランナーの先生と一緒に話していただくようにしております。モデルハウス以外は、目の前のお客様の要望に合った内容をご提案しております。
粟田さんのInstagramを拝見させていただくと、お客様との関係性がすごいいい担当さんなんだろうなというのはすごく感じております!そこで、初めて来店したお客様と打ち解けていくまでのステップはどのようにされてますか?
粟田さん 家を建てたいから相談に来ているというのが大前提なので、日常会話から始めて、そこから仲良くなるのは、敢えて意識しておりません。よく営業トーク術やノウハウ本とかに、共通の話題を探してとか、会話の持って行き方みたいなところが書いてありますが、住宅の場合は、少し違う感覚です。
理由は、限られた時間でお客様がお越しいただいている中で、1分でも長く、家の話、相談を差し上げるのがよいと思っていて、いきなり、家づくりの話をしていました。「今日なんで来ていただいたんですか?」や「家づくりはいつから始めようと思ったんですか?」など、家づくりに関する質問をひたすら投げかけます。そこで返ってくる答えに対して、盛り上がれるポイントがあったり、打ち解けられるポイントがあると思ってます。その会話の中にヒントがたくさんあり「いつから家を建てようと思ったんですか?」となれば「結婚して子供が生まれて、手狭になったので」と仰ると、お子さんがいるんだとわかります。それに対して「どんなお子さんですか?」とか「どんな暮らしがしたいですか?」とか、家づくりの質問の中のヒントから、広げていくようなイメージですよね。
会話を続けるためだけの会話をしないという事ですね。
粟田さん そういうことです。あと重要なのは、知識を事前にどれくらい身に付けられるかです。打ち解けられるという事は、ある程度この人を信頼できる、聞いたら何でも答えてくれるという関係性になります。面白いなど友達感覚で仲良くなる感覚は必要ないと思います。純粋に、信頼できると思ってもらえれば、一気に距離が縮まり、それは年齢など関係なく、事前にどれだけ知識を身に付けられたり、情報をどれだけ知っているとか、引き出しの多さなど、この辺りがお客様と距離を近づけられるきっかけになっていると思っております。
お客様は担当さんの知識が豊富であると安心感が増すと思いますね。ちなみに、入社して1年、2年目の時は、知識を増やすために、より頑張った事などございますか?
粟田さん まずは自社で扱ってる商品、構造や仕組みは全て細かく伝えられるようにしました。その中で、考え方も違うので、他社の構造などを比べさせてもらったりしながら、木造住宅業界の家づくりの仕組は、どの様なものが使えるのか、どの様な建て方があるのかという大きな枠で、まず理解するようにしました。また、デザインは、切っても切り離せないので、僕が入った時は、FacebookやPinterestなどで、自分の中でおしゃれなもの、おしゃれじゃないものというのをフォルダ分けしていた時期もありました。後は、自社の施工事例をさかのぼって全部見たり。約2,000件近くある中で、自分がおしゃれだと思うもの、おしゃれじゃないものに分けて、お客様に施工事例として、紹介できるフォルダを作っていましたね。
面白い。確かに、全てがいいわけじゃないですもんね。
粟田さん 外観だったら外観で、自分の中で、寄棟、切妻、型流みたいなフォルダを分けたり、キッチンだったら、オープンキッチン、腰壁のキッチン、その中でおしゃれなものを作っていくみたいな。お客様と話している中で「こういうのがいいです」となったときに「こういうキッチンですか?」と見せる写真が、おしゃれかおしゃれじゃないかで「うわ、全然おしゃれじゃないな」って思われるのが嫌で、そこをすごく徹底しました。あとは、勉強の為、県外の住宅展示場にいかせてもらう機会が多く、そこで乃村さんにもお会いしました。いろいろな会社の家を見たり、考え方を聞かせてもらったりしながら「どうすれば、おしゃれを叶えられるのか」などは、特に1、2年目は、意識してやっていました。
知識を増やすには増やし方があったという事ですね。初回接客で、モデルハウスが見たい、資金の相談がしたい、間取りの打ち合わせがしたいなど、いろいろなご要望を持ってこられたお客様に、1回目の接客を終えた次の項目として、抑えていくべきポイントは何かございますか?
粟田さん 初回の時に必ず聞くのが「いつまでに家を建てたいか」です。中には「◯◯までに」「できるだけ早く」など、お客様から伝えてくれたりします。大体そこで、この人はいつぐらいまでに家を建てようと思っているのかを、初回で把握できるようにしておりました。それに対して、どんな順番で進めていくと希望の時期に間に合うのかを具体的にお伝えしております。例えば、土地がない場合、まず土地を探さないといけないので、土地の情報を2週間以内だったら「2週間以内で、全ての土地の情報を仕入れておくので、2週間後にまたお会いしましょう」というアポイントをとらせていただいております。