住宅業界・工務店がDXを推進するべき理由とは?施策や事例もご紹介!

この記事では住宅業界・工務店のDXについて、推進するべき理由を市況やデータを踏まえながら解説し、具体的な施策や取り組みの事例もご紹介します。昨今「DX」は頻繁に話題に上がりますが、住宅業界・工務店においてもDXに取り組むことが急務となっています。この記事がDXに取り組む上で役立てば幸いです。

DXとは?

昨今よく耳にする「DX」という言葉は、経済産業省が2018年に発表した通称「DXレポート」をきっかけに日本で広がりました。経済産業省はDXを以下のように定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

出典:経済産業省、デジタルガバナンス・コード

DXは単なるIT化に留まらない、ビジネス全体の変革を指します。住宅業界・工務店も市況や社会情勢の変化を踏まえ、DXに取り組む必要があります。

住宅業界・工務店がDXを推進するべき6つの理由

住宅業界・工務店がDXを推進するべき理由は以下の6つです。

  1. 市場の縮小
  2. 人手不足と人材の高齢化
  3. 資材・物価の高騰
  4. 業務の属人化・紙文化
  5. 法改正
  6. 消費者の購買行動・ライフスタイル・コミュニケーション手段の変化

それぞれについて解説します。

1.市場の縮小

野村総合研究所の推計・予測によると、新設住宅着工数は長期的に現在の傾向を維持して減少し、2040年度には49万戸まで減少する見通しです。すでに住宅数は総世帯数を上回っており、少子高齢化・人口減少が進む国内では住宅需要の低迷は避けられません。

住宅業界・工務店は単純な市場の拡大による増収増益は見込めないため、DXに積極的に取り組んで、売上・利益を向上させる必要があります。

2.人手不足と人材の高齢化

住宅業界・工務店の人手不足と人材の高齢化は顕著です。国土交通省の資料によると、2015年時点で全産業の29歳以下は「18.2%」なのに対し、建設業は「10.8%」と大きく乖離しています。

住宅業界・工務店では人手不足を解消するために、DXによって業務効率化・生産性向上を図ることが急務です。また、DXを推進し、若い世代からの「キツい」「古い」「アナログ」などのイメージを払拭できれば、採用面でも良い効果が見込めます。

3.資材・物価の高騰

ウッドショックやウクライナショックによる資材・物価の高騰で、多くの工務店がコスト増に悩んでいます。人件費の削減などのコストダウンにもつながるDXに取り組むことが求められています。

4.業務の属人化・紙文化

住宅業界・工務店では業務の属人化が顕著で、それが生産性の低下やトラブルにつながっています。例えば、言った言わない問題への発展が挙げられます。また、まだまだ業務がアナログで紙文化が強く、業務の効率が悪いのも住宅業界・工務店の特徴です。

業界全体で業務の属人化・紙文化が強いからこそ、DXを推進し情報共有の促進、業務効率化、ペーパーレス化に取り組むことで競合に対して優位に立つことができます。

5.法改正

労働基準法が改正され、2024年4月から建設業の労働時間の上限規制が適用されます。住宅業界・工務店でも残業に頼った働き方から脱却する必要があるため、DXによる生産性の向上が求められています。

また、2025年には建築基準法の改正と省エネ基準適合義務化があり、それに合わせて提出書類、保存図書、事務手続きが増加します。このような業務の煩雑化にもDXによるデータ管理などが解決策となります。

6.消費者の購買行動・ライフスタイル・コミュニケーション手段の変化

NTTドコモ モバイル社会研究所の調査によると、日本国内のスマートフォン、ケータイの所有者のうちのスマートフォン比率は2010年は4%程度だったのが、2023年には96.3%となりました。インターネット、スマホ、SNSの普及により、消費者の購買行動・ライフスタイル・コミュニケーション手段は変化・多様化しています。

DXに取り組み、若者を中心としたデジタルに慣れ親しんでいるこれからの世代に合わせたコミュニケーション手段を今のうちから確立していくことは、今後の住宅業界を生き残っていく上で非常に重要です。

住宅業界・工務店の6つのDX施策

住宅業界・工務店が取り組める具体的なDXの施策を以下の6つ紹介します。

  1. オンライン商談の実施
  2. チャットによるコミュニケーション
  3. 顧客管理システムの導入
  4. 施工管理システムの導入
  5. 書類や資料の電子化・クラウド管理
  6. 3D・VRを活用したバーチャル展示場

1.オンライン商談の実施

Zoomなどのビデオ通話アプリ・Web会議システムを使用してオンラインにて商談を実施することは、すぐに取り組めて営業を効率化できるDX施策の1つです。

オンライン商談では場所を選ばないため、訪問営業に費やしていた移動時間やコストを削減でき、1日に取り組める商談数も増やせます。

2.チャットによるコミュニケーション

住宅業界はまだまだ電話文化が強いですが、最近では若い世代には電話を嫌う人も多いです。チャットによるコミュニケーションに取り組むことは顧客視点でも重要な工務店のDX施策です。

すでにLINEやChatworkを活用し、チャットによるコミュニケーションに取り組んでいる工務店も多いのではないでしょうか。弊社のサービスである「マイホムアプリ」にもチャット機能があり、お客様からは既読・未読を判別できないため、「チャットの気疲れから解放される」という特徴があります。

3.顧客管理システムの導入

顧客管理システムを導入することも住宅業界・工務店における有効なDX施策の1つです。営業を効率化しつつ、顧客満足度を向上することができます。

これまでの購入履歴や商談プロセスを分析することにより、それぞれの顧客に最適な営業・マーケティング活動を行うことができ、情報を一元化することで営業アプローチをする際のミスやトラブルを防ぐことが可能です。

弊社のサービスである「マイホムビズ」は住宅業界・工務店に最適化された顧客管理システムであり、顧客を物件や案件に紐付けて管理できます。

4.施工管理システムの導入

施工管理システムを導入することにより建設現場や工事現場に必要な管理業務を効率的に改善し、人員・スケジュールから入金などの管理までを一元化して行うことができます。

「マイホムビズ」にも施工管理システムが備わっており、ミスやコストの削減・人員配置の最適化をすることで事業計画にズレのない日程で工事進捗を管理することが可能です。

5.書類や資料の電子化・クラウド管理

書類や資料を電子化することも、紙文化が強く、管理すべき書類が多い住宅業界・工務店において重要なDX施策です。また、電子化した書類や資料をGoogleドライブなどのクラウドサービスで管理すれば、より社内やお客様への共有が簡単になります。

「マイホムビズ」は容量無制限でファイルをアップロードできるので、ファイル管理サービスとしても利用可能です。

6.3D・VRを活用したバーチャル展示場

3D・VRを活用したバーチャル展示場を設けることは、住宅業界において顧客体験を変革できるDX施策です。

3DデザインソフトやVR制作ソフトを使用して3D映像で360度見渡せるように設計し、VRを活用することでお客様に自宅にいながら実際の展示会に参加したように住宅を見学していただくことができます。

住宅業界・工務店のDXの3つの事例

ここからは住宅業界・工務店のDXの取り組み事例を3つ紹介します。

1.一条工務店「i-tab」

大手ハウスメーカーの販売棟数が軒並み減少する中、右肩上がりの成長を続ける一条工務店は、「i-tab」というタブレットをお客様に無料でレンタルしています。i-tabではプランや間取りの検索、建築実例動画やオーナーの口コミ動画の閲覧、外観やインテリアのコーディネートのシミュレーションなどができます。

お客様の生活動線に自然に自社が溶け込む工夫を実施し、顧客体験を向上させているDXの取り組み事例だといえます。

2.YAMADA HOMES「Y-let」

大手ハウスメーカーであるYAMADA HOMESも「Y-let」というタブレットをお客様に無料でレンタルしています。Y-letでは家づくりの基礎知識やアイデアを学んだり、YAMADA HOMESの魅力を知ることが可能です。

一条工務店やYAMADA HOMESの事例からもわかるように、住宅業界・工務店のDXでは自社アプリを活用することが重要だと言えるでしょう。

3.マイホムの事例

徳島県で1951年の設立以来約70年にわたり、注文住宅・分譲住宅・土木など幅広い事業を手掛けている工務店である西野建設株式会社は弊社サービスである「マイホム」(マイホムビズ、マイホムアプリ)を導入し、DXに取り組んでいます。

西野建設株式会社ではマイホムのチャット機能を活用し、スキマ時間や平日にもチャットでお客様と打ち合わせを進めることができるようになり、子育て世代のスタッフがより活躍しています。

また、施工中は現場監督がこまめに写真をアップするようにしているので、お客様に安心感が生まれ、満足度の高まりにも繋がっています。

西野建設株式会社のマイホムの導入によるDX事例について詳しく知りたい方はこちらからご覧ください。

その他のマイホムの導入事例はこちらからご覧ください。

まとめ

住宅業界・工務店がDXを推進するべき理由は以下の6つです。

  1. 市場の縮小
  2. 人手不足と人材の高齢化
  3. 資材・物価の高騰
  4. 業務の属人化・紙文化
  5. 法改正
  6. 消費者の購買行動・ライフスタイルの変化

また、住宅業界・工務店が取り組める具体的なDXの施策は以下の6つが挙げられます。

  1. オンライン商談の実施
  2. チャットによるコミュニケーション
  3. 顧客管理システムの導入
  4. 施工管理システムの導入
  5. 書類や資料の電子化・クラウド管理
  6. 3D・VRを活用したバーチャル展示場

一条工務店やYAMADA HOMESは自社タブレット、自社アプリを活用することでDXに取り組み、顧客体験を向上させています。

住宅業界・工務店のDX推進には、弊社サービスである「マイホム」が役立ちます。マイホムについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下より資料請求してください。

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