【トップセールスと語る】3年目で年間20棟を受注できた、たった一つの事(中編)|株式会社はなおか 営業部 粟田 宗一郎氏
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徳島県No.1ビルダーで、年間20棟超える受注を継続的に上げていらっしゃる粟田 宗一郎氏(株式会社はなおか 営業部 新住宅ブランド事業プロジェクトリーダー。以下、粟田さん)に、乃村 一政(株式会社マイホム 代表取締役CEO)よりインタビューをさせていただきました。
栗田さんよりお聞きできた、『たった3年でトップセールスになれた秘訣』、『接客中に心がけている事』、『最近のお客様の状況』を、前中後編に分けてお届けいたします。
今回は中編です。
価格高騰でもお客様に最もメリットのあるスケジュールを前提に
次の段階で押さえる重要なポイントとしてお客様の優先順位があると思うのですが、聞き出し方はどの様にされてますか?例えば、予算、場所など。
粟田さん 最も重視しているのはお客様のスケジュールです。例えば、補助金が使えるなら予算は変わりますし、いつまでに欲しいのか、急いでるのか、明確な目標があるのかなど。もしくは、全くわからないのであれば、予算を聞きながら、補助金や税金についてもお伝えして「いついつまでがベストです」とご提案しております。今だと木材の価格が高騰したり、7月位から全体的に住宅価格が上がると言われていますよね。そこも踏まえながら、それだったら急いだ方が良いのか、逆に予算的に問題ないようであれば、急いでもらう必要はございません。その次は予算です。
予算がスケジュールに影響するからということですよね。
粟田さん そうです。
今話題に上がった、ウッドショックで、プレカットや建材もこれから上がっていくとなっていて、価格ミスマッチも結構出てきているんじゃないかなと思っております。その辺はどの様に乗り越えていってますか?
粟田さん 正直、今の予算からは確実に、プラス2〜300万上がります。ただ、お客様に恵まれており、融資的に難しいという人が、現状はいらっしゃらないです。なので、それは参考になるか、正直わからなくて。。。ほぼ紹介なので、職業柄とか、お客様のつながりから、予算も先にお話して、2〜300万だと、月々6〜7,000円なので、出せるという方が多かったりはします。ただ、確かに金額は上がっているのですが、業界全体で上がっているので、うちだけが高いわけではないと理解いただいた後は、他社との金額差に関して、今まで通りのやり方、なぜ高いのか、安いのかというのを、理解してもらえるようにお伝えしております。ウッドショックによる値段の高さは、業界的にもどうしようもないので。ただ、はなおかで家を建てようとしたら、どうしてそこまでは上がってしまうのかを理解していただくしかないと思ってます。その中で、補助金とか、今だったら、こども未来住宅支援があったり、それで少しでも価格を抑制できるという可能性があるということを伝えながら、という感じです。
2022年夏ぐらいから、建材がさらに値上がりする予測がありますが、これも同じですよね?結局どこの工務店さんも一律値上げになりますので。さきほど仰られた、スケジュールの話の方が最も重要という事ですね。
粟田さん そうです。値上げ後、補助金を取るタイミングを見極めることはできず、会社や棟数など、取れる人も限られてくると思います。契約時期により対象になる、ならないが決まります。こういうのに敏感な営業マンは、打ち合わせしているお客様にそれをいつアナウンスしたらいいかというのが分かってます。直前や見積もりを出すタイミングで「今だったら補助金取れます」みたいな感じで、契約を促す営業マンは基本的にあまりうまくいっていないですね。ただ、できれば初回のタイミングや早いタイミングで、お客様のスケジュールを理解し、その中で、補助金が出るかもしれないぐらい程度を理解していればいいと思います。「それに間に合うように今から打ち合わせを開始し、最適な時期で決断いただくように進めるのがいいと思います」ということだけでもアドバイスしてあげると、見積もりを出すタイミングでは、お客様も決める覚悟でそれを見てくれるはずです。お客様自身も、金額が上がる前提で、補助金がもらえると、少しでも安く建てられますので、お客様目線でメリットのある伝え方をすることは意識しています。
商談が進んだお客様の「実は…」を回避するコツとは
毛色の違う質問になりますが、ご本人様がオッケーでも、あとで親御様が出てきてひっくり返るケースという時に、事前に気をつけていることや、工夫されている点はありますか?
粟田さん 例えば、親の土地、実家の土地など、ご両親からの援助があるときは、最終的に絡んでくるのはわかっているので、初回図面のタイミングで、必ずご両親にご意見聞いていただくようにしております。100%これでオッケーという親御さんの方が正直少ないんです。その背景は、家を建てた先輩なので、必ずアドバイスをしたくなるものだと思いますし、ご自分のお子様が家を建てるとなったら、言いたくてしょうがないはずなんです。それは、裏を返せば、失敗して欲しくないという気持ちの表れです。
ご意見を全て受け入れる必要はないですが、早めに親御さんの意見を聞きながら、それを次に持ってきてくださいとお願いすると、意外と先に聞いてくれたりします。
親御さんのご意見が違っていたら「こうやったほうがいいから、それはもう一回聞いてみてください」と言ったりします。何なら「連れてきてください」とかも言います。
結果、会社に来てくれたら完璧で、会社の考え方、会長、社長の考え方というのが結構重要になってきます。大前提として、子供たちに失敗して欲しくない、騙されているんじゃないか、その様な感覚をどうやって解決してあげるかというのを、間取りだけじゃなくて、必ず伝わるように、伝えるようにしています。
ここを全然わからない時期が1〜2年あった経験から、事前に親御さんにも説明するようにすると、ひっくり返されることがなくなりました。
打ち合わせを進めていく中で、検討期、2回目、3回目の接客の時に、心がけている事や、どういう状況になると、クロージング、受注の話に進められるのかなどございますでしょうか?
粟田さん 1番大事なのは、お客様が建てたい家に対して、どういう提案をして、どういう反応が返ってくるのかだと思っています。具体的には図面を書く前に、設計士と一緒にお客様の要望を聞く機会で、ヒアリングの仕方にこだわっております。お客様がこういうことがしたいと言ってくれたことに対して「それはこういうことですか?」と画像で見せております。
イメージをしっかり共有するということですね。
粟田さん 画像がなく「こういうのが欲しいんです」と言われたら、もちろん我々はなんとなくは分かります。ただ、お客様からすると、それが伝わってるのか不安なこともあると思います。それはどのタイミングで目の前の営業マンや設計士を信頼しているのかにもよりますし、僕は1秒でも早く「この人に言っておいたら、絶対いけるな」みたいな感覚を、ヒアリングの時に持ってもらいたい。そこで、Pinterestを使えばすぐ画像を出せるので、例えば「シューズクローゼットを通り抜けしたいんです」と言われて、検索したらいっぱい出てきます。「じゃあこういうイメージですか?」や「上着とかかけられるようにしたいですか?」みたいな、さらに+ αの質問をしていくと、よりお客様が建てたい家を、お互いがイメージできると思ってます。
そこで、Pinterestは便利に使えますよね。
粟田さん めっちゃ便利に使わせてもらっています。ヒアリングが終わった後は、きっとお客様はすごくワクワクして帰ると思うんですよ。それって、言葉のキャッチボールだけだど、そんなにワクワクを与えられないと思っていて、そこに、外観の写真を見せてあげたり、リビングのおしゃれな写真を見せてあげたりして初めて、自分たちの家はどんな感じでになるんだろう、というワクワクに変わります。
「言ったことに対して的確な答えを返してくれる」「この人に言っておいたら理想が叶いそうだな」と思ってもらえる、この2つの気持ちを持って帰ってもらい、次の打ち合わせの時に図面を出すので、ここが最も大事な部分です。
設計士さんと一緒に間取りを作っていくタイミングで、言われた通り、設計だけの間取りではお客様の気持ちも汲み取れないところもあると思うので、ここが営業マンとして重要なポイントになります。これは社内で「お客様はこういうことを言いたいんじゃないと思う」の様な打ち合わせで、初回の図面ができあがります。そこさえ間違っていなかったら、大体2回目、3回目になったときに、競合が何社か消えていきますね。
いわゆる、担当のヒアリングを通してわかる、この人わかってくれるわ〜というポイントですね。
粟田さん 僕も不安なので、答え合わせをちゃんと画像を見せながらするんですよ。最初怖かったですけどね(笑)。
今話しているニュアンス、表情、雰囲気で、これちょっと外れてるのかなとか、これバッチリはまっているなぁなど、なんとなくわかってきているという感じですね。
粟田さん 最初はめちゃくちゃ怖かったです。ドキドキしながら、こういうことですね?いや、違います、みたいな。でも、そうやって答え合わせをするのが大事です。
それで経験を積んでいかれたのですね。ちょっと風変わりなところでいくと、お客様って、言いにくいことだったりを抱えていたりすることがあるじゃないですか。実はどこどこでローンを組んでいて、とかもそうなんですけど。そういう、お客様の、実は…みたいなことを聞き出すポイント、コツみたいなものは何かありますか?
粟田さん それは、やっぱり、この人を信頼、信用できると思ってもらえたら、引き出せると思います。具体的に、それを何か引き出す術は、僕は逆に持っていなくて、知りたいんです。
信用、信頼を得るという事ですね。
粟田さん 信用、信頼を得たら、お客様から言ってくれたりするので、フタを開けたらそうだったみたいな事は正直なくて。予想ですけど、僕も回りくどい聞き方をしないのが良いのかもしれません。家を建てたいということが目的なので、お客様の事情などを全て知りたい。なんで知りたいかというのもお伝えしてますが、例えば、お客様によっては、予算感が同じでもお金の使い方も違うし、価値観も違う、住んできた環境もみんな違うんですよね。だから、それを知らないと、素面の提案というのもやっぱりできないと思っています。今まで過ごしてきた人生を聞けた方が提案できるというのを伝えるようにしていて、その担当者がどういう気持ちで家づくりをしているとか、何が知りたいのかというのがお客様に伝われば、意外と、実は、という話が聞けることが多いです。
どうしてそれを知りたいのかというのをちゃんと伝えるという事ですね。
粟田さん そうですね。