この2年間で様々な社会変化があり、ビルダーの皆様の中には、常に答えを模索しながら日々営業や業務を行っている方もいらっしゃると思います。そこで、営業戦略の立て方やフレームワークを皆さんに共有し、さらに、住宅業界やビルダーの魅力をお伝えするため、私どもは【エグゼクティブビジョン】というメディアを立ち上げました。

今回第1回目として、山形県で13年連続No.1のトップビルダー※で、代表取締役CEOである大場友和（おおば ともかず・株式会社クリエイト礼文）さんに、乃村（株式会社マイホム代表取締役CEO）からインタビューさせていただきました。
※ 2009年～2021年リビング通信社調べ

今回は前編です。

中編はこちら、後編はこちら

まずは簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか？

大場さん　大場友和です。1976年生まれの現在46歳です。大学時代は県外に行きましたが、それまでは山形県で生まれ育ちました。家族は、妻と娘3人の5人です。高校生、中学生、小学生の娘を持つ父親でもあります。ちなみに、現在埼玉県と山形県で二重生活を送っている身です。趣味は、冬山に登ることでアウトドア全般が好きです。

ありがとうございます。会社のプロフィールを教えていただけますか？

大場さん　私どもは、山形県山形市に本社を置きます、株式会社クリエイト礼文という会社です。メインは、ユニテハウスという建物ブランド、戸建てブランドを中心に、不動産の賃貸、そして売買建築を行っています。またFC事業も行っております。ユニテハウス FC事業に関しては、箱型総二階の建物の商品や販売手法をパッケージにしたノウハウをフランチャイズ展開していて、山形の本部のFC本部でもあるというのが特徴です。加盟店は現在47社となり、年間約900棟の住宅を全国で提供しております。私たちの家作りのコンセプトは、QOL住宅で、縁ある人々を幸せにというミッションを掲げております。住宅業界は機能競争に陥りがちですが、当社は20〜30代でも幸せな家づくりができるよう、土地、建物、外構をトータルで提案し、機能とコストのバランスを考えながら、日々住宅を通してお客様に幸せを届けるというミッションで活動をしています。

直近で、1年間で何棟ぐらいのお家を引き渡していますか？

大場さん　弊社は山形県をメインに仙台でも事業を行っておりまして、完工、引き渡しベースで年間200棟以上になります。

現在、山形県内において、何年連続トップをとられているのでしょうか？

大場さん　住宅産業研究所調べで13年連続になります。

次に、社長にご就任されるまでに、大場社長がこれまでどのような人生を歩んでこられたのか教えてください。

大場さん　実はお恥ずかしい話、当初は明確な目標などはなくて、気づいたら今に至るという感じなので、その辺の変化を中心にお伝えできればと思います。
私は、跡継ぎ、二代目という立場なのですが、これから経営する人たちに少しでも響くような形になればいいなと思っています。幼少時代は山形県上山市で育ち、物心ついてから、ずっと野球に明け暮れていました。高校時代は補欠ながら甲子園にも出場し、大学まで野球を続けました。

小学生からずっと野球をやられていたのでしょうか？

大場さん　はい。ずっとやっています。むしろ、それしかなくて、気づいたらずっとそれだけやっていたというか、やらされていたという感じです。大学までやりましたが、大学の途中で、中退をするのですが、そこまではずっと続けていました。

甲子園出場の経験もあられるのですね！

大場さん　甲子園に関しては、2年の時と3年の時に、チームが出場しました。その中の補欠中のド補欠でした。そのような感じで、大学に関しては野球などを全くやりたくなかったのですが、野球をしていないと大学に入れなかったので、そのまま入りました。大学では、案の定やりたくないことで入りましたので、大学2年くらいから日中はパチンコ、夜はスナックでバイトをするという生活になり始めて。完全に昼夜逆転型の、典型的なだめ学生をしていました。あるとき、連絡がつかなくなったので、遠いところにいるはずの父親が玄関先に立っていて、呼び止められて、「1回実家に帰ってこい」と言われました。いわゆる説教をされたわけです。「お前、将来やりたいことがあるのか」と言われて、その時は無目的、無目標でしたし、実家に数日だけ滞在するつもりだったのですが、父親から「実は、家で建築事業を始めるので、お前は大工にでもなってみないか」と言われ、無目的、無目標の自分が入社をしたということがあり、現在に至ります。

その時から住宅事業を始められたのですね。

大場さん　そうですね。1997年かな。大工を2年半ほどしたのですが、僕は丸ノコで指を怪我しまして、そこから賃貸の営業、建築の営業、売買仲介の営業、仙台支店の立ち上げ、関東で加盟店の切り盛り、関東の拠点の立ち上げ、そして、本社に戻ってくるという変遷を辿りました。

賃貸もされていたのですね。

大場さん　1番最初に賃貸の紹介と管理をやりました。なので、設計部門、現場監督はやっていないですが、それなりの部署は偶然にも図らずも回りましたね。

結果的に、業務全体を知ることができたわけですね。

大場さん　そうですね、不動産から建築含め、ほぼ全ての部署を経験できたことで、現在トップとして1つ1つの部署での経験と実績を活かしたマネジメントができています。

社長にご就任されたのは何年でいらっしゃいますか？

大場さん　2020年3月なので、2年半です。

社長にご就任までの中で、どのような経験や学びがあったと思われますか？

大場さん　野球をずっとやってきて、野球時代や社会人の時もそうですが、どちらかというと、明確な目標があってやってきたなど、そんな綺麗事は全くありませんでした。しかし、今置かれている環境で、とにかくずっと一生懸命やってきた人生だったと思っています。野球の時もそうでしたが、どちらかというと、最初から自分にはできないと決めてしまうバイアスの人間でした。全県から集まってくる有望選手の中で、「俺は補欠決定だ」と最初から決めつけをする典型的な人間だったんですね。しかし、最初から無理だという決めつけをしていたものの、仕事に対しても全く目的があったわけではないのですが、ただ真摯に向きあい、真理に対して従順であれば必ず事は成し遂げられるということは学んだと思っています。

あとは、当社の場合、これまで創業社長がいて、どちらかというと、上からボスマネジメントで来たわけですが、私はリードマネジメントをしたくて。逆に、これをやると会社というのはうまくいく、これをやったらダメということは、良い部分も悪い部分も含めて、創業者から非常に学びを得ましたね。

次に、社長に就任された時に感じた心境や決意などを教えてください。

大場さん　僕の場合は、先程言ったように、無目的、無目標で次期社長と言われましたが、実際にそうではないわけです。経営者というのは、徳と才の両方を兼ね備えることだなと思っていて。なので、まずは前会長の才覚や前社長の持つ徳を身に付けることで、経営や事業がうまくいくなと感じて、徳と才を積もうと決意したことを覚えています。それから、僕の場合は社長になる2年前から前会長から次の社長は大場だと言われていたので、覚悟を決める期間が2年ほどあったのは恵まれていたなと思っています。その覚悟というのは、私の場合は、プロパー＝生え抜きの社長なわけじゃないですか。プロパーの社長で絶対に吐いてはいけないのは、「図らずも社長になりました」という言葉だと思っています。つまり、社長になった以上は会社のボスであり、社員とその家族は全て私の家族であり、きちんと守り切るという覚悟、意志をそこで決意したことを強く覚えています。

「QOL住宅で縁ある人々を幸せにする」というのは、これを見ていただくビルダー経営者は例外なく、自分の建物や住まいで、人々を幸せにしたいという想いだと思うのですが、そのような理念を持った経営者を見るたびに、大切な人を第一に考えると決意を新たにしています。大切な人というのは、まず先程言ったように、経営者である以上、社員とその家族なので、社員たちが幸せじゃないと、縁ある人たちを幸せにできるはずがないというふうに思っています。幸福感は様々ありますが、自分たちの幸福感が満たされていないのに、人々を満たせないと。社員とその家族が幸せで、その溢れた分をお客さんに還元するという考え方が人の心理ですし、原理原則だと思っています。

御社の事業内容を詳しく教えていただけますか？

大場さん　まず、建築事業、不動産事業、蔵王リゾート事業、収益事業、フランチャイズ事業、CSです。また、社内ベンチャーで「Square」というまちづくり会社を始めました。

様々な事業をされている中で、同業他社はたくさんいると思いますが、差別化となる御社の特徴を教えてください。

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