Executive Vision - Top Interview -

ライフデザイン・カバヤ株式会社

取締役社長

窪田健太郎

くぼた けんたろう

Profile

ライフデザイン・カバヤ株式会社 窪田健太郎さん
1962年生まれ、岡山県出身。
1992年ゼネコン会社を経て、ライフデザイン・カバヤへ入社。
設計や営業業務に従事し、2004年に取締役就任。
2015年よりトップとして社内の構造改革を担っており、2020年8月からは取締役社長としてその手腕を振るっている。
住宅を扱う会社から木造ゼネコンまで、CLT建築を含む“木”で囲まれた街づくりを目指し、日本の風景を変えていきたいと願っている。

営業戦略の立て方やフレームワークを皆さんに共有し、さらに、不動産業界やビルダーというものの魅力をお伝えするため、私どもは【エグゼクティブビジョン】という指針を掲げました。

そのビジョンを伝えるべく、取締役社長 である窪田健太郎(くぼたけんたろう・ライフデザイン・カバヤ株式会社)さんに、乃村(株式会社マイホム代表取締役CEO)からインタビューさせていただきました。

窪田さんよりお聞きした、『変化を恐れない姿勢』『朝起きたら行きたくなるような会社』を、前後編に分けてお届けいたします。

今回は後編です。

前編はこちら

国内の話に戻りますが、同業他社さんは、当然ながら日本国内にたくさんおられますが、窪田社長が経営において大切にされている考え方や軸があれば教えていただけたらと思います。

窪田さん 会社の中で、いつも「朝起きたら行きたくなるような会社」にしようと言っています。この業界は属人的だと思います。つい最近も、とある有名企業の社長さんが、トップセールスの営業が引き抜かれたとか、独立して困っているという話をしていましたが、それだけ地元でがんばっている有名な会社でも、よく売れる営業マンが抜かれたらすぐ業績が落ちていくというのがこの業界だと思います。我々グループにある、オハヨー乳業やカバヤ食品など、工場を作って売先があれば、人が辞めようがどうしようが、ルートができていて、売上げにはさほど影響がありません。我々の業界は日々、営業マンが売って来なかったら、売上がなくなるような業界だと思うんですよね。そういう意味では、社員が自社を好きになってやめないようにするには、やっぱり朝起きて行きたくなるような会社になればいいと思います。属人的な労働集約型産業の会社としては、社員が辞めないというのが1番だと思っているので、僕の経営の柱は、昭和の考え方かもしれませんが、愛社精神のある会社にしたいです。そのために、合宿研修を行い、カバヤイズムというものを社員一人一人が理解できるような会社にしたいので、今、従業員が500人になっているのですが、500人になっても、みんなで飲みに行ったり、旅行に行ったり、運動会をやったりしています。そういうことを続けているのは、僕が規模が小さい時からカバヤホームを伸ばしてい行ったような一体感、団結力が大切だと思っているからです。合宿研修などを通して、弊社の10年先のビジョンをみんなに示し、それに対して、みんなの意識を上げていくため、一体感を生むために、いろいろな研修をしているのですが、言うは易しで、人数が増えると、なかなかいろいろな考え方や多様性を持った考え方の人がいるので、こちらが右向けと言っても、それは違うでしょうと、斜に構える人もいます。それは、どの会社でも一緒だと思うんですよね。そういう一体感を醸成して、人が辞めずに、この会社で出世して、この会社で何かをやろうということに生きがいを感じる人たちを増やしていきたいんですよね。

なるほど。つまり、500人とかの人数になってくると、一定のルールで縛るというより、窪田イズム、カバヤイズムみたいな考え方の共感で、500人を束ねていくというイメージでしょうか?

窪田さん そうですね。だから給料も地方の会社としては弊社は良い方だと思うのですが、給料で縛ってもそれ以上に給料を出す会社はありますから、お金で動く人というのはやっぱり動いてしまいます。いろいろな事業をやっていたり、住宅の営業や施工監理をやっている人が、非住宅のビルの設計をしたいとか、海外で働きたいとか、いろいろなチャンスが生まれるような会社にしておかないといけないと思っています。住宅だけで、たまたまこの業界に入ったから、一生この業界にいますという人ばかりではなく、いろいろなことをやってみたいという人はいると思います。沖縄に事務所を作ったのも、沖縄で働きたいという社員がいたり、海外で働きたい人もいたり、そういった多様性にマッチできるような会社にすることが、「朝起きたら行きたくなるような会社」の考え方に沿っていくのかなと思っています。そういう意味では、事業変化は、社員がいろいろなところで自分の力を発揮できる場所を提供するということをテーマにしています。

ありがとうございます。次に、窪田社長が社長に就任されてから、現在まで、売上高250%以上というすごい成長率を実現されていると思いますが、その中で、1番ご苦労された部分はどこでしょうか?

窪田さん 弊社の副社長もイケイケの男で、実は僕と副社長は、昔対立していたこともありました。社内での出世争いをし、派閥が発生し、同じ会社で同じ会社じゃない雰囲気になりまして、「向こうの事業部と飲みに行くなよ」みたいなことも言われていました。しかし、今のオーナーになり、手を結ぶことになり、逆に、そういうトップ2人が一緒になって、社長、副社長となり、馬力が一気に倍以上になって伸びているんです。困っていることで言えば、僕と副社長が、走りすぎて、後ろを振り向いたら数人しかついてきていないなということもありました。要は、スタッフや営業の若い人が疲弊していて、成長のスピードについて来れていない、もっと人を入れればいいのですが、補充が弱いので、先頭で一生懸命営業部隊が戦っているのですが、後ろを向いたら部隊が滞っていて、火薬や食料がない、という現状がありました。社内で朝起きて行きたくなるような会社になっていないと。営業はバンバン受注をとってきているけど、スタッフが全然追いついていかないんじゃないかという現状があったので、そういうことでは苦労と言えば苦労だし、まいた種だと思えば当たり前です。そのために、立ち止まることもしなきゃいけないのですが、総務や人事に言って、何とかいろいろ人材をかき集めてもらって現状があるのかなと思っています。どの会社も一緒だと思いますが、現在でもリソース不足というのは永遠の課題だと思っています。

そうですよね。成長企業にとってそこにゴールは無いですよね。

窪田さん 成長を止めるかという話になってくると、この 2人が追いかけたい夢があり、夢追い人で居続けたいので、その戦いはこれからも続くかなと思っています。長くこの業界にいることでの変化としては、人口が減少しているところがあるので、当然、世帯数よりも、家の戸数の方が多い現状の中で、どんどん成長していくかというと、限りなく年間着工戸数50万戸に近づいていく世界だと思うんですよね。単純に考えれば、そこでシェアをとれば、うちの会社だけが生き残ることが可能だと思うのですが、大きく見てみると、この業界は衣食住の1つの柱なので、当然これからも継続して、弊社の柱になっていきます。しかし、他の事はないかということで、先程の中計の3本の矢なんですよね。ですから、業界自体は、シュリンクしていく中で、リフォームやリノベーションというのは、これからどんどん出てくると思いますが、会社の規模が大きくなればなるほど、それが売上利益に貢献するかというと、そこそこの貢献はあると思いますが、大きい貢献にはならないと思います。その観点からも、弊社はゼネコン事業、というのをやっていますし、やはりこれからいろいろな自治体と提携して、職人や国内産の材料や県産材を使うなど、いろいろなことに取り組んでいきたいと考えています。岡山県でも土木のプレイヤーがどんどん減っていっているのが現状で、我々は、住宅会社から自治体といろいろ手を組んで、非住宅にも力を入れることによって、自治体との困り事を解決していく会社になっていければいいと考えています。

御社独自の文化や制度があれば教えてください。

窪田さん 文化に筆頭するのが、合宿研修を毎年やっています。20人規模のユニットで、私か副社長、執行役員が必ず入り、会社の考え方を示します。そして、若い人たちに「この会社はどのような方向に向かっているのかということを共有し、どんどん意見を言ってもらい、上下の立場の関係を超えるコミュニケーションを活発にしていっていることが弊社の文化だと思っています。

そのほかに運動会、社員旅行、一鶴ツアー(ただ焼いた鳥を食べに行く)や全社員会議をずっとやっています。普通の会社は、社員旅行はめんどくさい、なんで会社の人間と旅行に行かないといけないんだという感じですが、自由参加と言いながら、社員旅行の参加率も90%を超えていますので。それも文化かなと思っています。京セラの稲盛さんじゃないですが、飲みニケーションが多いということもそうですし、コロナの時代には全くマッチしませんが、それも1つの文化だと思います。だから、僕の中では、個人個人の力は秀でた人がいっぱいいるかと言えば少ないのですが、団結力によって、相乗効果を出して、企業力に変えていくというのが文化かなと思います。

もしこれから、30代などの若手経営者が、ビルダーの経営者になろうとするという時に、どのようなことをアドバイスされますか?

窪田さん いろいろな本を読んでもらって、いろいろな年齢層、階層の人と話ができる人間になれれば、1番良いかと思います。そして経営たるものは 10 年 20 年 50 年先の未来を想像し、あらゆる情報を集めて経営のロードマップを策定することが一丁目一番地かと思います。それを達成するための強い意志と手法、組織を何度も何度も考え、勇気をもって前に進むことが大事だと考えます。

最後に、窪田社長が好きな本を1冊を教えてください。

窪田さん 日本電産の永守さんを尊敬しているので、10何年前に読んだのですが、「情熱・熱意・執念の経営 すぐやる!必ずやる!出来るまでやる!」という本は、やっぱり僕の基本になっていますね。あとローマ人の物語を読むのもいいかもしれません(笑)。

貴重なお話、ありがとうございました。今後のライフデザイン・カバヤ世界戦略、楽しみにしております

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