お客様との時間を楽しむ(後編)|愛岐木材住建株式会社 中島孝弘氏

岐阜県 愛岐木材住建様の営業トップを走り続ける中島孝弘(なかしま たかひろ・愛岐木材住建株式会社)さんに、営業として意識していることや、接客中に大切にしていることや、お客様の本音を引き出すコツ、そして、トップセールスマンになるためのアドバイスなどをインタビューさせていただきました。

中島さんよりお聞きした、『仕組みで売る』『お客様との時間を楽しむ』を、前後編に分けてお届けいたします。

今回は後編です。

前編はこちら

他の【トップセールスと語る】インタビューシリーズはこちらです。

お客様との時間を楽しむ

3年前にウッドショックの影響やウクライナの影響でかなり原価が上がっていると思いますが、5年前に建てた家の+300万〜500万という感覚になってきている中で、お客様が思っている価格と、実際に見に来ると結構高いと思われたり、価格のミスマッチが起きていると思います。これはどのように乗り越えていらっしゃいますか?

 中島さん その辺で、予算感を最初に確認しておきたいというところがあります。例えば、「他社さんも聞いています」ということであれば、高いことは理解しているとわかると思います。他社さんから比べると、弊社はまだお値打ちにできるところがあるので、普通にやってもいいかなというところもあるし、弊社が一発目だと、高いか安いかの基準がないわけなので、普通に出すと高いと感じてしまうので、その時は金額的なところは明確には出さず、夢を見てもらうようなイメージでお話ししていきます。

その方が他社に行った時に、比べた際に特に高くないと思えるような落としどころを提案するということですね。

 中島さん そうですね。安いか高いかなんて、結局人それぞれということになってしまうので。あまりガツガツいっても、まず信用できないじゃないですか。「これは安いですよ」と言っても、感覚的に高いよと思う人もいると思いますので…。

信頼感を作ることは非常に重要だと思っていますが、その作り方は、先ほど中島様がおっしゃったように、初回の面談で、スピード感を持って、プランニングや間取り図を一緒にやっていくイメージでしょうか?

 中島さん そうですね。なるべく、話しやすい雰囲気を作るようには当然していますね。また、最近は20代前半のお客様が結構多くなってきています。共働きで結婚したてという人の方が勢いがあるので、少し高くても大丈夫だという感じはあります。ですが、子供ができて、30代半ばになってくると保守的になってしまい、今の予算感で大丈夫かなという感覚になってしまうようですね。

例えば、ご夫婦はOKでも、親御様が出てきてひっくり返してくるというパターンがあると思いますが、そういうことに対しては、事前に対策していらっしゃいますか?

 中島さん 特に何もしていないです。そういう人はそういう人だと思ってしまいますね。

割り切る感じですね。

 中島さん ダメならダメで…。

施主様の検討が進んでいって、クロージングする際に、意識されている部分はありますか?

 中島さん 1回目の話をした後に、当然、今後の流れをお話しするので、提案して何度か打ち合わせをしましょうと。僕らのやり方で言えば、プランニングがおおかた決まったら、僕らはパナソニックの製品を使わせていただくので、パナソニックのショールームに行って、設備や商品の選定をしましょうと進んでいきます。契約前に、設備選定をしてもらうことによって、当然金額的なところも固まってくるし、安心感を与えることができます。契約をした後にどんどん金額が上がるということがないようにしています。それで、金額的に納得していただけたら、ショールームが終わった後に契約しましょうという話をするようにしています。

気づいたらどんどん上がっていたということはよく聞きます。

 中島さん 「そういうことはないようにしているので安心してください」というお話はします。

パナソニックのショールームにはご一緒に行かれるのでしょうか?

 中島さん そうですね。行くようにはしています。

営業さんは全員行かれるのでしょうか?

 中島さん そうですね。行きますね。

各設備選定が終わったら、見積もりも一緒に出すのでしょうか?

 中島さん そうですね。

トータルでこれぐらいと見ていただいて、やるかやらないのかという判断を仰ぐということですね。

 中島さん そうですね。

クロージングにも通ずるものがありますが、本当は何か課題や懸念があって、前に進めないなど、施主様の本音を引き出すために工夫していることはありますか?

 中島さん いろいろ聞くしかないですね。ちょっとおかしいとか、引っかかっていそうだなと思ったら聞く、ただそれだけですね。

直球勝負ということですね。

 中島さん 直球勝負というか、「金額的なところですか?」など、なんとなく聞くようにはしています。

それが金額なのか、間取りなのか。

 中島さん はい、もう聞くしかないですね(笑)

モヤモヤした感じではあまり進めない?

 中島さん そうですね。

よくあるのですが、あとは判を押すだけなのに、すごく悩んでいたり、不安を感じる方がいらっしゃると思いますが、そのような方にはどのようなお声掛けをしていますか?

 中島さん どうでしょうか…聞くしかないですね(笑)

なぜ時間がかかっているのか、どこが不安なのかと。

 中島さん そうですね。何が不安なのか、ですね。

聞いた後に不安要素が出てきて、解決できる部分とできない部分があると思いますが、そこは解決するように動かれていますか?

 中島さん そうですね。

仕組みという言葉がよく出てくるのですが、会社の仕組みが良いというのは、非常に理想的だと思います。ある程度の営業さんだったら、誰でも売れるようになるという会社の仕組みはどのようなものなのでしょうか?

 中島さん エリア的に、宅地分譲している建築会社がない中で、そういうリスクを取って土地を用意しているというところが大きいと思います。あとは、いろいろな宣伝広告にも力を入れてやってくれていて、売上面でも利益、利益という感じではなく、多少なりとも調整したり、臨機応変には対応してくれるので、そこが大きいと思います。

エリア的に宅地分譲が難しいというのは、他社さんがなかなか買ってこないということですか?

 中島さん そうですね。

そういう場合は、基本的には、この一帯は御社しか持っていないという状況になっているという感じでしょうか?

 中島さん 割とそのような状況になっているかと思います。この辺に住んでみえる方は、お家を考えている方は「ちょっとアイモクに行ってみないとだね」という感じにはなっていると思います。

その印象は良いですね。このエリアだったら、まずはアイモクさんに行こうと。

 中島さん そうですね。「土地も結構いいところがあるし…」と言ってくださる方も多いです。

土地がある程度確保されている状態の中で、先ほど宣伝広告という話もありましたが、それ以外に営業さんがより売れる仕組みはあるのでしょうか?

 中島さん 今、住宅展示場にもちょうど出したので、ハウジングセンターに人がより来てくれて、お客様と会える場所をたくさん作ってくれていて、それだけ数が増えれば、必然的に契約棟数もあがってくると思うので、大分やりやすくはなっていると思います。

土地があり、住宅展示場があるということですが、それでも、そこまで売れるわけではないと思います。社内で営業する上での心意気や仕組みはあったりするのでしょうか?

 中島さん 割と裁量を与えてくれるので、それもやりやすいところの1つですね。

裁量を与えられているので、プランニングからパース構成など、自分で自由に進められるというところが大きいですね。そこまで1人でやれるというのは成長ができそうですね。

 中島さん そうですね。若い子たちもやりがいがあって、楽しく仕事をしてくれているのではないかと思いますね。

若い営業さんも棟数は持たれているのでしょうか?

 中島さん はい。

それは社長のお考えだったりするのですか?

 中島さん それはありますね。社長がそういう考え方で、気を回してフランクに接してくれています。

そのような仕組みがあるとは言え、競合他社がいると思いますが、アイモクさんかA社かB社かとなった場合に、最終的に御社に決めていただくためのクロージングの際に工夫していることはありますか?

 中島さん 違いを理解してもらうということですかね。

それは何か資料を作ったり、電話などでフォローされるのでしょうか?

 中島さん 本当に、会わないと何も始まらないですし、お会いして、面と向かって話をしないとなかなか難しいと思っていますので、お会いしてお伝えしたり、理解してもらうようにはしていますね。

それは、機能面、それとも価格などでしょうか?

 中島さん そうですね。全てにおいて、弊社がいいということを伝えています。ただ、あまり他社様を下げることはせず、「うちはこういう考えでこのような仕様にしています」と理由とともにお伝えしたり、お金や間取り、仕様のことも一貫して1人で対応するので、「あなたのことを1番理解しているのは僕です」という心持ちで接するようにしていますね。

信頼関係が築けているということですね。わざわざクロージングをかけなくても、「じゃぁ、中島様にお願いします」となるイメージですね。

 中島さん そうですね。それが理想的ですね。

デザインのトレンドに話が戻りますが、お客様から言われて、そこで調べていくという感じでしょうか?

 中島さん そうですね。

売れない営業マンと売れる営業マンの違いについては、客観的に見て何があると思いますか?

 中島さん やはり、気が回せるかどうかではないでしょうか。

気が回せるかどうかは僕も重要だと思います。気が回せるというのは、具体的にいうと、商談において、社内において、いろいろあると思いますが、どのような部分だと思いますか?

 中島さん 例えば、奥様が寒そうにしていたら、エアコンの温度上げてあげるとか(笑)言わないでも気がつくという感じじゃないですかね。

先程のお子様の話もそうですよね。

 中島さん エアコン調整というのはアレですけど(笑)いろいろ観察する力じゃないかなと思います。

観察する力は大事だと思いますが、それは養えるものだと思いますか?

 中島さん それはできるでしょう。僕も、人と喋るのがあまり好きじゃないですけど…(笑)

そうなんですね。売りたいと思う営業さんは、どうやって練習すればいいのでしょうか?

 中島さん 楽しい空気感を出すことが大切だと思います。結局、楽しくない時間を一緒に過ごすことが契約につながるわけがないので…。

そうですね。いくら土地が良くても、建物が良くても、嫌だったら契約には至らないですね。

 中島さん そうですね。当然、フィーリングで合う、合わないはありますが、まず最低ラインとして、楽しい雰囲気、楽しい時間になるように、自分からそういう発信をして、いろいろと気がつく人になれればいいと思いますね。

貴社の若手社員さんも気が回る方が多いのでしょうか?

 中島さん そうですね。多いと思います。

社内の雰囲気はいかがですか?

 中島さん 社長もまだ若いので、若い営業の子を引っ張って、社長らしからぬ感じでやってくれているので、結構和気あいあいとやっています。

いいですね。それが成長につながっている感じがしますね。

 中島さん そうですね。それが大きいと思います。

最後に、住宅業界に入ったばかりで、トップセールスを目指す人がいるとしたら、まず初めの1年目は何をしたらよいと思いますか?

 中島さん 抽象的になってしまいますが、打ち合わせやお客様と話す時間を楽しい時間にしましょうということですね。

それをするためには、奥様やお子様などへの気遣いが大切ということですね。今日聞かせていただいた中で、重要なのは、もちろん土地や値ごろ感というのがあるのですが、営業としては、お客様との信頼関係を出すためには、楽しい雰囲気、楽しい時間を常に意識しながらやっていくと、結果的にお客様から支持されるということだと思いました。貴社はプランニングまでされるということで、パースも作られて、ショールームにも行くし、そういうすべての時間が楽しく、さらに、中島さんという1人の担当者に全てを委ねられて、安心できるような、あまり時間をかけずにコミュニケーションをとりながら、関係性を構築できているのが、貴社が強い要因ではないかと思いました。

 中島さん ありがとうございます。

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