不安材料を払拭して受注へ(前編)|株式会社クリエイト礼文 鈴木 利彦氏

山形県No.1ビルダーとして、そして、営業としての現役時代には多くの功績をもたらし、会社をリードし続けた鈴木 利彦(すずき・としひこ/株式会社クリエイト礼文・山形支店支店長)さんに、乃村(株式会社マイホム代表取締役CEO)から、営業として意識していたことやお客様の本音を引き出すコツ、また、部下を育てるためのマイルールについてインタビューさせていただきました。

鈴木さんよりお聞きした、『お客様に感謝される営業』『新築住宅の三本柱』『他社と戦わない営業』を、前後編に分けてお届けいたします。

今回は前編です。

後編はこちら

他の【トップセールスと語る】インタビューシリーズはこちらです。

お客様に感謝される営業

まずは、ビルダーをされていらっしゃるエリアは山形県でしょうか?

鈴木さん はい、山形県です。

山形県の中でも、さらに、特定のエリアはありますか?

鈴木さん 基本は全域なのですが、メインは、内陸エリアは山形市を中心に、東根、天童、上山、そして、庄内エリアは、酒田、鶴岡を担当しています。

鈴木さんは入社何年目でしょうか?

鈴木さん ちょうど18年になりました。

すごい!ちなみに、おいくつでいらっしゃいますか?

鈴木さん 昭和50年の6月生まれですので、先月47歳になりました。

おめでとうございます。僕の1つ上の先輩ですね。僕も6月生まれなので、ちょうどぴったりです。現在、注文、戸建て、分譲と合わせて、年間何棟ぐらい担当していますか?

鈴木さん 170棟です。

鈴木さんが担当されているのは注文でしょうか?建売でしょうか?また企画住宅もされますか?

鈴木さん 注文です。はい、企画住宅もします。

注文及び、企画住宅ですね。今まで、年間マックスでどれぐらい売られたことがありますか?

鈴木さん 実は、私も営業から外れて2年ほど経っていまして、2年前までですと、年間で36棟ぐらいが最高だったと思います。

すごいですね。それは個人の成績ですか?

鈴木さん 個人の成績です。ただ、今はチーム制でやっています。

36棟もやっていたら、契約と決済をずっとやっているような感じですよね。接客において、営業として意識していることはありますか?

鈴木さん そうです。「お客様に感謝される営業」を心がけています。

その「感謝される営業」というのは、例えば、家にとても詳しいとか、お客様の困り事の解決をするなど、いろいろあると思いますが、どのようなアクションをとることによって、お客様に感謝していただけることが多かったでしょうか?

鈴木さん 思いっきり感謝されるような営業を、と言ったら少し語弊がありますが、極端な話をすると、お客様がご来場される前から入口でスタンバイし、笑顔でお迎えして、座席まで笑顔でエスコートさせていただき、お客様が着座いただいたらお飲み物の手配など、全てにおいて細やかな接客をするようにしています。

いかに気持ちよく過ごしていただけるか、ということですね。お客様はお会いしたはじめの1〜2分で決まるところがありますので「この人は期待できそう」と、お会いしてから、はじめの30秒とか1分でわかってしまいますよね。お客様がこんな家を建てたい、こんな予算で建てたいと、実際の商談が始まった際に意識されている事はありますか?初回来店の時に、まずはどのようなことをされますか?

鈴木さん 1番意識しているのは、お客様の「購入の動機」と「背景」ですね。購入の動機が、私自身で腹落ちするまでは、商談を進めないようにしていました。お客様に対しても、「動機や背景について、私自身がわからないと100%のご提案ができないので…」と言ってしまうタイプです。なので、その動機や背景をヒアリングすることが私の最初の会話ですね。

問題を払拭することに特化したコミュニケーション

この間、鈴木さんの初回接客に、たまたま私が同席したのですが、結局家の話をしませんでしたよね?後で聞いたら、そういうことだったので、なるほどなと思いました。 トップクラスのビルダーさん全員と言ってよいほど、建築動機、購入動機にはっきりと手触り感がないと良いご提案ができないとおっしゃっていますね。次に、受注までは大体どのくらいの期間で進行されることが多いですか?

鈴木さん 早い方でも45日(1ヵ月半)です。基本は2ヶ月半から3ヶ月です。

平均したら、大体2ヶ月半ぐらいのイメージですね。

鈴木さん ただ、おそらく他のメーカーさんと違うところで、私たちの契約の仕方が、意思疎通があったら印鑑を押していただくような形で、仕様過程は印鑑後に進めるという形態をとっておらず、すべて決まって、着工できるような状態になってから契約をするという社内的なルールがございます。なので、契約できる、できないの判断が早いと、2回目ぐらいでできる時もあります。

それはさらにすごいですね。次に、お客様と打ち解けるまでの流れとして、どのようなコミュニケーションを取ることが多いですか?本音をきちんと話してくれるようになるまで、初回来店をされてから、どういう会話をすることが多いでしょうか?

鈴木さん ハウスメーカーらしからぬ発言なのですが、私たちの商品というのは、企画住宅なので、フリープランから打ち合わせをする形ではありません。もともと会社自体も不動産から始まった会社なので、結局は土地と建物のセットで提案し、予算を1番大事にしています。建築動機を聞いた際に、なぜ家が欲しいのかという理由がわかってきたら、まず「お客様の希望価格のエリアに、今と同じぐらいの家賃で住宅を建てられたら最高ですよね」と問いかけて「そうです」という回答が来た際に、「大丈夫ですよ」とお声掛けをしています。

“家を買う”という大きな取り組みに対して、安心させてあげるということですね。

鈴木さん 実は、借金を持っている方はかなり多く、その問題を払拭することに特化したコミュニケーションをとることによって、受注をいただける場合が多いですね。

そのあたりの解決への道筋を作ってあげるという事ですね。お客様側も勇気を振り絞って、カミングアウトしていますよね。

鈴木さん そうです。なので、ある程度、理解が出来る年齢のお子様が一緒に来場されるときは、そういう話はしないようにしています。

このテーマの時に、ご夫婦がカミングアウトしてくれると良いですが、ご主人、もしくは奥様が、相方に内緒の時があるじゃないですか。そういう時はどのような配慮をされていますか?

鈴木さん しょっちゅうありますね。勘が働いて、目の動きだったり、言葉の節々の言動だったりに違和感を感じるので、そのお打ち合わせは特に何も言わずに終了させますが、借金に関しての問題がありそうだなと思ったお客様に対しては、帰られてから、奥様がいらっしゃらない時間帯に電話しております。

それは、お電話を差し上げて「個別でご相談などあれば気軽に言ってくださいね」という感じでしょうか?

鈴木さん そうです。あとは、次回お会いした際に「融資関連の話をしようと思っておりますので、万が一何かあったときに、ご夫婦の関係がおかしくなってしまうと困るので、万が一というところで、念のため、お電話させていただきます」と伝えるようにしています。

すごいいいですね。絶対に、そういうお客様は一定数いますから。

新築住宅の三本柱

次に、住宅業界は、家の建築形式がどんどん変わったり、素材なども変わったりしますが、知識を増やしたり、情報を取り入れるためにやっていらっしゃることはありますか?

鈴木さん 日経を読んだり、社内システムで住宅業界の新聞が毎日のように流れてくるようになっています。

業界誌をご覧になっているんですね。業界誌は本当にトピックをよくまとめてくれていますよね。次に、お客様の重視するポイントの優先順位の引き出し方はありますか?お客様ごとに要望が多種多様に違ったり、こんなことがしたい、あんなことがしたいとか、それがどれくらい重要なのか、重要ではないのか、そのようなお客様の要望の整理の仕方については、どのように行っていますか?

鈴木さん 100%ではないですが、それに近い割合で、ご夫婦でご来場される方が多いので、ご夫婦を目の前にして「新築住宅の三本柱」についてよくお話します。新築住宅をこれから求めるにあたって、3つの柱があって「土地の柱」、「建物の柱」、「予算の柱」というものがあります。この3つの柱で、新築住宅というものが叶うことになりますので「まずは、ご主人様のほうにお伺いしますが、この3つの中で優先順位が高いものはどこでしょうか?」と聞いてしまいますね。

ご夫婦というより、それぞれに聞くという形でしょうか?

鈴木さん それぞれに聞きます。そして、その質問が終わった後に、奥様のほうにも「まるっきりご主人と同じ質問なのですが、奥様はいかがでしょうか?」とお尋ねします。そうすると、一緒のご夫婦もいれば、違うご夫婦ももちろんいらっしゃって。それはそれで打ち合わせとしては楽しくなるのですが…(笑)。その結果、ご予算のところから話した方が良いお客様なのか、ある程度土地ありきで考えていらっしゃる方なのか、それとも、夢が膨れ上がるぐらい建物のことで頭がいっぱいのお客様なのかということがわかってくるので、そこからは、お客様によって進め方も順番が変わってきます。

ウッドショックなどで原価が上がり、予算が合わない、価格のミスマッチが起きてしまっているということがあると思うのですが、その辺はどのように乗り越えていらっしゃいますか?物件価格が上がっているけど、お客様の年収が上がっておらず、買いたいけど予算が届かないというケースの時はどのような商談をしたり、お話をされていますか?

後編はこちら

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